〜国内車メーカーの現状〜

国内自動車メーカーの特徴・まとめ(2017年)

日本の自動車メーカーは世界の85カ国における販売台数で32.4%のシェアを占めており、国別では世界第1位となっています(出典:FOURIN世界自動車調査月報2015年6月号)。国内で自動車関連に就業している人口は約548万人で、これは国内就業人口の約8.8%に相当します。日本経済において重要な役割を果たしている国内各自動車メーカーの特徴をまとめてみました。

トヨタ自動車

国内販売では圧倒的な首位をキープ、世界でもフォルクスワーゲンと販売台数で激しいトップ争いを繰り広げているメーカーです。85カ国販売台数のシェアは11.4%、約1千万台を販売しました。1997年よりハイブリッド車に力を注いでおり、主力車種のプリウスは3代目は発売直後の1ヶ月間で月間目標の18倍に相当する約18万台を受注、さらに19ヶ月間連続で新車販売ランキング首位を獲得するという新記録を打ち立てました。

国内各メーカーとの連携も多く、スバルとダイハツは傘下企業、マツダとは燃料電池車・ディーゼルエンジンの技術提携、スズキとは資本も含む技術提携で話し合いが持たれています。

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本田技研工業

国内販売台数ではトヨタに次いで第2位となるのがホンダです。国内シェアでは約15%を占め、世界85カ国販売台数では約446万台を記録しています。バイクメーカーだったホンダが自動車市場に参入したのは1963年と国内メーカーの中ではもっとも遅いのですが、1970年代に入って厳しい排ガス規制をクリアしたシビックが爆発的ヒット商品となり、自動車メーカーとしての地位を確立させました。

創業者の本田宗一郎氏は「ホンダの社長は技術畑出身でなければならない」という信念を持っていたことから歴代社長はすべて技術畑出身者で、販売されている車種にはホンダ独自の機能を盛り込んでいることが大きな特徴です。また国内メーカーでは唯一、他メーカーと一切の提携を行なっていないことも注目すべき点のひとつといえます。

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スズキ

ホンダに次いで国内販売台数第3位、約64万台の販売を記録したのがスズキです。この数値は普通乗用車だけでなく軽自動車も含まれています。1973年から2006年までは軽自動車販売台数で34年連続して販売台数第1位を維持しました。しかし現在はスイフトやイグニスなど小型車を強化、「脱軽依存」を目指しています。とくにスイフトは地域別販売比率において、国内の約15%に対してインドでは約39%、欧州では約27%と海外で好調な販売成績を上げています。

1981年にはGMと、2009年にはフォルクワーゲンと資本提携を結びましたが現在は解消しており、新たな提携先としてトヨタの名前が上がっています。

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日産自動車

かつてはトヨタと肩を並べる日本自動車産業の双璧でしたが、現在はルノーが日産株を44%保有、日産がルノー株を15%を持つルノー=日産の連携体制を形成しています。ただし日産側には経営における発言権がないため、実質的には傘下企業となります。国内販売台数はホンダだけでなくスズキにも抜かれ、わずか約62万台に留まりましたが、連携体制はあくまでグローバル市場を考えており、世界85カ国販売台数ではトヨタ、フォルクスワーゲン、GMに次いで第4位、シェアも9.1%を確保しています。

ルノーとプラットフォームを共有化した車種を販売するなどコスト削減で利益率を高める一方、究極のエコカーと言われる電気自動車「リーフ」の販売に伸び悩むなど、国内販売に関しては不安定な立ち位置にいるといえるでしょう。

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ダイハツ工業

約60万台の国内販売台数で第5位となったのはダイハツですが、この販売台数のほとんどが軽自動車です。トヨタとの関係は深く、1967年に業務提携を結び、1998年にはダイハツ工業株の過半数をトヨタが取得、現在は連結子会社となっています。軽自動車のイメージが強いダイハツですが、トヨタと業務提携する以前は普通自動車も積極的に作っており、トラックと共用できるハシゴ型フレームで作ったコンパーノはセダンだけでなく4人乗りオープンカーといった人気車種まで生み出しました。最近になって再び小型車開発を積極的に行なっており、2BOXハッチバックのブーン、コンパクトカーサイズのトールワゴンとなるトールを発売しています。なお、ブーンは親会社のトヨタに、トールはトヨタと傘下企業のスバルにそれぞれOEM供給を行なっています。

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マツダ

国内販売台数24.5万台で第6位となるマツダは2011年から始まったSKYACTIV技術によって販売成績を伸ばし、国内だけでなく海外でも高い評価を得ているメーカーになりました。マツダはこれまで何度も経営危機に陥りましたが、その度、5代目ファミリアや初代デミオといった救世主的車種を発売、悪化した業績を復活させてきました。とくにロードスターはマツダが販売系統の多チャンネル化に失敗した直後に発売され、当初は「2シータースポーツカーは売れない」と予測されていましたが、それを見事に覆し、現在ではマツダを代表する車種のひとつとなっています。

なお、1996年にはフォードがマツダ株を33.4%取得し、一時的に連結企業化されましたがフォードは2015年に全株式を売却、資本関係は解消されています。

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富士重工業

国内では最小規模の自動車メーカーですが、経営危機を招いた軽自動車製造から手を引き、トヨタの傘下企業となってからの業績は目覚ましく、営業利益だけを見れば親会社のトヨタだけでなくドイツの高級車メーカーBMWを超える13%を達成しています。世界中のメーカーの中で量産車に水平対向エンジンと4WDシステムを組み合わせているのはスバルだけで、それぞれ1966年と1972年にスバル1000とレオーネエステートバンに搭載されて以来、現在まで継続されています。

創業期は中島飛行機の元航空機技術者が自動車開発に携わってきた歴史を持ち、航空機に通ずる機能性と合理性を優先して走行性能を向上させる理念からユーザーにはコアなファンが多く、それらのファンは「スバリスト」と呼ばれています。なお、2017年4月1日付で富士重工業からスバルに社名変更することが決定しています。

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三菱自動車

かつてはトヨタ、日産に次ぐ第3位のメーカーで、国内自動車メーカーとしては最古の歴史を持つ三菱自動車も度重なる不祥事と発売する車種の不振から現在の国内販売台数は激減、わずか約10万台と最下位に甘んじています。業績の悪化をさらに深刻化させたのが日産と共同開発した軽自動車eKシリーズの燃費改ざん問題で、三菱自動車は経営危機を回避するためにルノー=日産アライアンスと資本提携を行い、事実上の傘下企業となりました。

パリダカを始めとするラリーレイドで活躍したパジェロ、世界ラリー選手権で4年連続総合優勝したランサー・エヴォリューションなど数々の名車を輩出したメーカーだけに復活を期待する声も多く上がっています。

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