車クリーニング業者がエアコンの臭いを取る方法

夏の日中などエアコンの付け始めの悪臭は、何物にも形容しがたい独特の臭いです。エアコンの臭いがひどい車の多くが喫煙車で、タバコの煙と車内の臭いや雑菌が組み合わさり、あの嫌な酸っぱい臭いになります。特に、夏場のエンジン始動時は最悪です。耐えられずに窓を全開にして、臭いが落ち着くまで車外で待つ人もいるでしょう。エアコンの臭いのレベルにもよりますが、車の買取査定では、エアコンの臭いが一定以上ひどいと判断されれば減点されます。

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できれば臭いを防ぎたいところですが、防臭スプレーや芳香剤などを利用しても効果はありません。エアコン用ダクト用のスプレーを吹き出し口から噴射しても、一時しのぎで数週間、早ければ数日で臭いが戻ってきます。独特の悪臭は、カーエアコンの構造が原因です。

エアコンの臭いの根源はエバポレーター

エバポレーター（画像）はエアコンの付いている熱交換器のことです。この部品が臭いの発生源です。

実は、臭いは降車後に発生します。エアコンが作動中で循環している時、エバポレーターは空気を強力に冷やしますが、臭いは抑えられます。冷媒によりエバポレーター表面が冷やされ、臭いが抑えられるのと送風により乾燥しているからです。エアコン停止後、冷えたエバポレーターの表面には結露ができます。この結露の水分は、雑菌と煙などを吸着します。これが臭いの元です。

エンジンのラジエーターと逆の使い方で、エバポレーター内は、エアコン冷却用の冷媒ガスが通り、コンプレッサーで加圧されたガスが、エバポレーターで減圧され一気に気化します。このとき、周りの熱を奪い急冷することができるので、そのタイミングでエバポレーターコアに風を送ることで空気を連続的に冷やしています。

冷蔵庫や住宅用エアコンなど、すべて同様の構造ですが、車では、その冷媒に直接循環している空気を通して冷やします。空気が流れる順序は以下のとおりです。

1. 室内外の吸気口から導入
2. ブロアファン
3. エバポレーター
4. ダクトを通り、室内吹き出し口へ

この順序になり、通常に使っている状態では、臭いが抑えられます。

エアコンの清掃

カーエアコンにはフィルターが設置されています。悪臭がするエアコンは、フィルター交換だけで解決しませんが、エバポレーター洗浄を行う際に取り外すので、この機会に交換しましょう。フィルターは該当車両を販売するディーラーで購入できます。清掃を始める前に用意しておきましょう。

エアコンの清掃・エバポレーターの清掃

エバポレーターの清掃は、フィルターを外し、長いノズルを取り付けたエバポレーター専用の洗浄液噴射スプレーを噴射します。噴射ノズルをいっぱいまで押し込むと、ノズルストッパーが働き噴射が最後まで続きます。

洗浄液噴射スプレーは、ディーラーやカー用品販売店で購入します。オススメの洗浄液噴射スプレーは、クイックエバポレーター洗浄クリーナー３（ドライブジョイ）という製品です。

設置の準備が整ったら、空気を内気循環したまま窓を閉めて清掃用のガスをブロアファン付近から噴射します。状態を確認しドアを閉めて待ちます。車の下（助手席足元付近）から洗浄液が流れ出します。エアコン洗浄剤は、完全に1本使いきりなので、噴射が終わるまで待ちます。ガスの噴出が終わったら、洗浄剤の使用書に沿ってエアコンのスイッチを入れダクト内の空気を循環させます。

エアコンの清掃：ダクト内の脱臭、仕上げ

ダクト内の臭いが気になる・タバコ臭がひどい場合は、吹き出し口からエアコン洗浄スプレーを利用して、ダクト内やヒーターコアに残った臭いを取るようにします。

新車同然にはなりませんが、かなり改善するはずです。フィルターを設置し、脱臭剤が添付されている場合、フィルター付近に設置して、新しく用意したフィルターを設置して終了です。エアコンフィルターのカバーを忘れずに戻しておきましょう。

臭いがつかないように日頃から気をつけましょう

エアコンの臭い防ぐには、次のように車を利用することを心がけましょう。

• 車内でタバコを吸わない。
• タバコを吸う時は、タバコを吸う人の窓とその対角の窓を数センチ開ける。
• 車を降りる数分前からエアコンを切って、送風のみにしてエバポレーターと周辺を乾燥させる。
• 車を降りる前にエアコンをかけながら消臭スプレーを助手席足元付近に噴射して、１分程度待つ。

わずかなケアですが、この程度の作業をすれば臭いが付き難くなるので、ぜひ試してみてください。