車の査定前にボディのキズを修理するべきか?

で1〜2万円程度かかるキズは、査定の減点では数千円程度の減点です。

新車購入のために現所有車をディーラーへ下取や車買取業者へ売却するのなら、ボディのキズは直さない方がよいでしょう。車検残が少ないために再取得したり、高く売ろうとしてキズや凹みを修理しても、それらの費用分は多少の上乗せがあるものの、それ以上のプラス査定は期待できません。

査定前だからといって、無理してキズを直さない

弊サイトでは、2種類のキズのみ自分で補修することをお勧めしますが、DIYに自信が無い方は止めておきましょう。査定前だからといって、ホームセンターで補修キットを購入して、不必要な塗装層まで研磨してしまうと元も子もありません。くれぐれも自己責任でお願いします。

また、大きいキズや、サビが出たキズの補修を業者に依頼しても、補修代ほど査定額は上がりません。

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自分で補修できるキズは2種類

おすすめできるのは、リスクの少ない2種類のキズの補修方法です。

  1. 浅いかすり傷を消す方法
  2. タッチアップペイントを使った補修

放置していると印象が悪いキズ

この2つキズの補修方法は、査定額を確実に上げる保証はありませんが、「放置していると印象が悪いキズ」です。査定員は放置したキズが多いと「日頃からメンテナンスされてない」と考えます。特に「小さいキズの補修」は、ボディにサビが広がるのを防止するための補修でキズの見た目よりも大切です。

日常で付く浅いキズは自分で直せる

ボディの塗装は何層も積み重なっています。日常で付く「ヘアライン」などの細かいキズは上塗りの塗装面まで達していない、表面のクリア塗装までの浅い傷です。これは簡単にコンパウンドを使って自分で修理できます。後述しますが、査定ではヘアライン状の傷で5点減点になります。やはり、自分であらかじめ補修した方がよいと思います。

また、石跳ねでできた小さいキズや、ボンネットのエッジにできる塗装が欠けたようなキズも簡単に補修できます。深いキズは早く補修しなければボディを侵食してどんどん痛めてしまいます。


素人でも直せる車の傷

鉄板面(パネル)まで達しているキズは、サビが発生しやすく、放っておくと塗装層の下で侵食してしまいます!

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スプレー塗装・パテ・ヤスリを使うのは中級〜上級者

スプレー塗装はミスト状に散布するので、他の車に付着します。とても駐車場でできる作業ではありません。スプレー・パテ・ヤスリ等が必要な作業は、失敗するとキズを広げてしまいます。

駐車場でできる作業は、コンパウンドとタッチアップを使った補修が限界と考えましょう。くれぐれも無理しないようにお願いします。

初心者の方は、簡単な「浅いかすりキズ」「径が小さいキズ」を補修してみましょう。

派手なひっかき傷や、キズ周りが錆びてサンドペーパーで削らなければいけない補修はあきらめましょう。


車体の損傷による減額の詳細

ディーラーまたは車買取業者が査定業務を行う際は、基本的にJAAIの方式によって点検を行います。この方式では傷や凹み、塗装の剥がれなどの種類や大きさについて、以下のように定めています。

大きさ(イメージ)を表す記号

  • 0:修理を必要としない500円玉サイズ未満
  • 1:目立たない程度の大きさでカードサイズ未満
  • 2:修理を必要とするA4サイズ未満
  • 3:A4サイズを超える大きさでパーツ全体の修理または交換が必要

状態を表す記号

  • U:凹みや曲がり
  • C:腐食
  • A:傷(爪の引っかかる程度)やささくれ
  • P:変色や退色、シールやテープの跡
  • T:割れや亀裂、貫通している穴
  • W:塗装跡や板金跡
  • S:サビ
  • UA:傷をともなう凹み
  • XM:交換跡
  • M:修復歴

この記号の組み合わせで損傷箇所の状態を表します。たとえばC2と表記すればカードサイズ以上でA4 サイズ未満の腐食があること、UA1と表記すれば500円玉サイズを超えてカードサイズ未満の傷をともなう凹みがあることになります。

減額は損傷の状態と車種のクラスによって異なる

気になるのは、上記のさまざまな状態によってどれくらいの減額が発生するのか、ということでしょう。状態による減税額は一定ではなく、中古車のクラスと係数によって異なります。クラスは中古車の車両本体価格や排気量、ボディーサイズによって決められており、すべての車種がクラス内に収まっています。

クラスの平均的ランクがⅢで、トヨタであればプリウスやノアなど、ホンダであれあジェイドやステップワゴンなどが属します。ハイクラスはⅠで、その上に特Aがあり、メーカーによっては特Cまであります。下はⅣの次の軽自動車で、それぞれのランクには係数が決まっており、Ⅲが1.0でⅡは1.2、Ⅰは1.4となります。クラスⅢのプリウスの査定で減額が10万円だった場合、クラスⅠとなるクラウンで同程度の傷があっても約1.4倍、14万円の減額になります。

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減額幅が修理費を上回ることはない

減額対象となる大きさや状態、その減額対象の係数まではJAAIによって定められていますが、大きさや状態の減額価格は各事業者に任せられています。したがってディーラーや車買取業者によって、たとえU1の場合でも減額が異なってきます。

たとえばディーラー系は一般的に1点1,000円で計算しており、カードサイズ未満の場合は10点、A4サイズ未満の場合は20点となっています。車買取業者の方が若干高めですが、それでも1点1,200〜1,500円の範囲内に収まっています。U1であれば約10,000〜15,000円の減額となり、この減額よりも修理費の方が安ければ修理した方が高い価格で売却できます。

修理業者にもよりますが、概ね500円玉以上カードサイズ未満の大きさの状態では30,000〜40,000円が相場なので、修理して売却すると15,000〜30,000円以上の赤字になります。傷や凹みが多くなるほど、また大きくなるほど差額が開いていくので、少しでも高く売却するのであれば修理しない方が得策なのです。

ただし、ヘアラインなどの細かな傷は概ね5点の減額になるので、ボディを極細コンパウンドなどで磨いておく程度のメンテナンスはしておいた方がよいでしょう。

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