〜SUVではトップクラスの燃費効率〜

レクサスNX〜プレミアム感たっぷりなのに燃費にも注目

NXはレクサスから販売されているコンパクトタイプのクロスオーバーSUVです。トヨタの高級ブランドらしく、インテリアとエクステリアはプレミアム感がたっぷりと盛り込まれており、装備面ではレクサス初となる機能も設定されています。ガソリンエンジン車とハイブリッド車が設定されていますが、ハイブリッド仕様はNXの格上となるハイパワー仕様のRXと異なり、燃費重視型であることが特徴です。

メーカー車両情報・レクサス NX

欧州で激戦区となっているコンパクトSUV

NXはレクサスの新ラインナップとして2014年に発売されました。現在、コンパクト・クロスオーバーSUV市場は日本と欧州でトレンドとなっており、BMWのX1やルノー・キャプチャー、フィアット500Xなど欧州各国から販売されていることに加え、マツダのCX-5日産のエクストレイルなど国産メーカーも力を注いでいます。

NXはハイブリッド仕様の他にレクサスで初となるツインスクロールのターボチャージャー装着モデルを用意しました。コンパクトな直列4気筒エンジンに組み合わせており、最新の直噴システムを投入したことによって1650rpmの低回転域から350N・m(35.7kg・m)という3.5Lエンジン並の高トルクを引き出します。オフロード走行でもハイパフォーマンスを発揮できるクロスオーバーSUVらしいチューニングといえるでしょう。

NXとBMW X1の主なスペックを比較

NXはコンパクトSUVとして後発であることから多くの先行するライバル車が存在しています。NXは後発であることを活かし、それらのライバル車よりもボディサイズを一回り大きくしてプレミアム感を打ち出しています。ここではコンパクトSUVで人気の高いBMWのX1と主なスペックを比較します。

NX(200t Version L)X1 xDrive201 xLine
全長×全幅×全高(mm)4630×1845×16454450×1820×1610
客室内寸法2080×1520×1180
車両重量1740kg1660kg
JC08モード13.0km/L14.6km/L
最高出力175kW(238PS)/4800〜5600rpm141kW(192PS)/5000rpm
最大トルク350N・m(35.7kg・m)1650〜4000rpm280N・m(28.6kg・m)/1250〜4600rpm
車両本体価格4,920,000円4,920,000円

ボディサイズはNXに比べてX1の方が一回り小さくなっていますが、これはX1に限ったことではなく、メルセデス・ベンツのGLAやフォルクスワーゲンのティグアンなどもX1と同等のサイズに収まっており、欧州車の標準的なサイズとなっています。

また欧州のコンパクトSUVは実用性を優先しているので車内装備は各メーカーの統一デザインを採用しているものの、基本的に簡素にまとめられています。エンジン性能もオフロードの走行で扱いやすいパワーにチューニングしているため、NXに比べるとスペック的にはかなり劣ります。都市圏のオンロードを快適に走りたい人に取っては、欧州コンパクトSUVよりもNXの方が向いているといえるでしょう。

タッチパッドでリモートコントロール

インテリアはラグジュアリーであることに重点を置いているレクサスだけに、上級車と変わらぬ統一デザインを採用しており、ダッシュボードやドアトリム、センターコンソールに装飾されている革張りにはステッチまで入っています。

またセンターコンソールにはナビゲーションやオーディオを操作するリモートタッチに、スマートフォンやパソコンに使われているタッチパッドが用いられています。指先でピンチやスワイプなどが可能で、直感的に使用できることに加え、レクサスでは初となるスマホを上に乗せるだけで充電できる「おくだけ充電」にも対応しています。

コンパクトSUVではトップクラスの燃費効率

NXには200tの他にハイブリッド仕様の300hが設定されています。搭載されているエンジンは2.5Lの直列4気筒ですが、アトキンソンサイクル式の燃費効率型です。フロントには143PSを発揮する2JM型のモーターが搭載されているのでEV走行でも十分に加速感を味わえますが、エンジンが高回転域で効率よく働くので総合的なパワーは200tの方が上回ります。

ただしJC08モードは200tが13.0km/L、300hは19.8km/hと大きな差があるので、燃費効率を重視するのであれば300hがお勧めです。300hの燃費効率は一回りサイズの小さい欧州車と比べても抜きん出ており、コンパクトSUVではトップクラスとなっています。

筆者の主観的所見

X1に代表される欧州コンパクトSUVはクロスオーバーでありながらもオフロードをしっかり走れる性能を優先しています。坂道や障害物を乗り越える時に重要なフロントのアプローチアングルとリアのデパーチャーアングルを深く取っており、さらにフロントとリアの下回りには軽量のアルミ製アンダーガードを備えているのが一般的です。

NXはレクサスのアイコンであるスピンドルグリルの切り返し部分をヘッドライトのラインと合わせたために下部がワイドになり、フロントのロアグリル面積が大きくなっていることから、アプローチアングルが浅くなっています。

オフロードにおけるロードクリアランス性能はけっして高くありません。欧州のクロスオーバータイプとは逆にオンロード向きのSUV仕様といえるでしょう。コンパクトSUVでアウトドアライフを楽しむのであれば、欧州車を選んだ方が活用できます。

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