〜2015年にフルモデルチェンジ〜

ホンダ・ステップワゴンは独自性を強く打ち出している

ホンダのステップワゴンは5ナンバーサイズのミニバンです。初登場の1996年当時、乗用バンはエンジンを座席の下にレイアウトして後輪を駆動させるキャブオーバー型が主流で、床面位置が高くなるためヘッドクリアランスに余裕がなくなり、乗員空間はけっして快適とは言えませんでした。



ステップワゴンはエンジンをフロントにレイアウトして前輪を駆動させるFF方式を採用、キャビン部の快適性を高めたことから人気モデルとなり、以後、乗用ミニバンは軽商用ベースを除いて、すべてFF方式となりました。ステップワゴンはミニバンのエポックメイキング的存在といえます。

コスト削減設計でも人気を集めた初代ステップワゴン

初代のステップワゴンは徹底したコスト削減によって作られました。ボディを構成するパネル数を少なくしてプレス用の型を削減、その結果、弱くなるボディ剛性を高めるために右側後部ドアを設けずフロントドア以外のガラスをスライド式に設計して補強しています。またパネルの溶接部の跡をきれいにする作業を省くために無塗装の太い樹脂製モールをカバーにするという荒業も行なっていました。

コスト削減によってベースグレードのNは184.8万円という低価格を実現、また車両重量も1410kgに抑えることができました。しかしNグレードはエアコンを始め、前席乗員を守るSRSエアバッグ、車体の横滑りを防止するABSまでオプション扱いであったため、実際の販売占有率は5%前後に留まっており、低価格は集客のための営業戦略でもありました。

初代はけっして優れた作りのミニバンではありませんでしたが、発想とパッケージの良さ、またバブル経済崩壊後の実利主義が追い風となって人気を集めました。ホンダは2代目以降、新型プラットフォームを採用してボディ強度を高め、内装も充実させた車種にしています。

旧モデルとの大きな違いは搭載しているエンジン

5ナンバーサイズのミニバンはホンダ、トヨタ、日産が三つ巴となっている激戦区であることから、ステップワゴンは6年毎のフルモデルチェンジサイクルを繰り返し、現行車は2015年の登場で早くも5代目になりました。ホンダらしいアイデアが随所に散りばめられていることが特徴のひとつです。ここでは4代目RK型と5代目RP型の主なスペックを紹介、比較を行います。

RP型(現行車:Gグレード)RK型(旧モデル:Eグレード)
全長×全幅×全高(mm)4690×1695×18404690×1695×1815
客室内寸法3220×1500×14253095×1500×1395
車両重量1670kg1610kg
最高出力110kW(150PS)/5500rpm110kW(150PS)/6200rpm
最大トルク203N・m(20.7kg・m)/1600~5000rpm193N・m(19.7kg・m)/4200rpm
JC08モード16.2km/L15.0km/L
エンジン形式L15B(1500cc)R20A(2000cc)

走行性能面における最大の違いは搭載エンジンです。RP型はホンダで初採用となる新型ターボエンジンL15Bが搭載されました。ダウンサイジング化されたL15Bは低・中速域でターボを作動させるため、2.4L自然吸気エンジンと同等のトルクを発揮、旧モデルに搭載されていたR20Aよりもパワーと燃費の両面で上回っています。

ユーティリティ性を高める『わくわくゲート』

ホンダ独自の技術としては3代目から継承しているセンタータンクレイアウトに加え、『わくわくゲート』が装備されました。一般的なミニバンのテールゲートは縦方向のみ開閉しますが、『わくわくゲート』は縦方向に加えて左側半分が横方向に開閉できます。

この開閉方式によってテールゲートからでも車内に乗降でき、3列目シートは後方から床下収納できるので2列目へのウォークスルーも可能になります。車高が上がるほどテールゲートの面積も大きくなって重くなることを考えると、3列目シートに乗降する際や小さな荷物をラゲッジルームに入れるだけの時には高いユーティリティ性を発揮する装備といえるでしょう。

ミニバンでもホンダらしさを求める人には最適

5ナンバーサイズのミニバンはトヨタがノア/ヴォクシー/エスクァイアの3姉妹車を、日産がセレナを販売しており、ホンダのステップワゴンを加えると5車種がシェアを競っています。どの車種も差異化を図っていますが、ターゲットは軽スーパーハイトワゴンを卒業した家族なので、装備面では類似する部分が多々あります。

その中でステップワゴンに向いている人は他と同じ車種に乗るのがイヤで、独自性に興味を持つタイプです。ステップワゴンはシートアレンジなどライバル車と同等の機能を備えた上で、面積の広くなるインパネ部分を2分割して使いやすくしたり、左側下部の死角を軽減するサイドビューサポートミラーを標準装備したり、と他車にはない持ち味を出そうとするホンダらしさがあります。

同程度の装備を持つノアの車両本体価格は約272.5万円、ステップワゴンは予防安全装置のHonda SENSINGがついて261.0万円なのでコストパフォーマンスも優れています。

筆者の主観的所見

ステップワゴンは2015年のフルモデルチェンジと比較的新しいだけに先端技術が詰まっており、トヨタの3姉妹車には性能面で差をつけています。しかしもうひとつのライバル車、日産のセレナが2016年8月にフルモデルチェンジを行います。

新型セレナの大きなセールスポイントとなるのが自動運転制御システム『パイロットドライブ1.0』です。これは車線レーンと先行者を感知して自動運転を行うシステムで、現在は高速道路や単一車線のみしか対応していません。それでも長時間の高速道路走行や渋滞中には大変、役立つことは確実です。

トヨタ3姉妹車は2016年1月にマイナーチェンジしているので現在のところフルモデルチェンジの予定はなく、ステップワゴンもこれまでのサイクルを考えると2021年までフルモデルチェンジはありません。とくにホンダファンというわけでなければ、セレナの登場以後、両車の性能や価格を比較してから購入の検討に入った方が賢明です。

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