〜中古車として登録済未使用車が大量に出回る〜

洗練されたデザインで人気を高めた三菱eKワゴン

eKワゴンは三菱自動車が販売している軽トールワゴンです。日産との共同出資による合弁会社NMKVによって開発され、三菱が製造を担当し、日産は同車種をデイズのネーミングで販売しています。2016年4月、JC08モードのカタログ値に虚偽の申請があったことからデイズと共に製造販売を一時中止していましたが、排ガス値や保安基準に問題がなかったこと、燃費値を改めたことによって、現在は製造販売を再開しています。


軽自動車の開発費削減から日産と業務提携

eKワゴンの初代は2001年に発売されました。当時は三菱の自社製造で日産にはOEM供給を行なっていた経緯があります。ボンネットとキャビンをはっきりと分けた直線的なエクステリアは極めてシンプルで、トランスミッションは3速ATのコラムシフト、インテリアの一部はダイハツ・ムーヴの部品を使うなど徹底したコストダウンを図った車種でした。

その結果、安い価格で提供できたことや車高が立体駐車場に収まる1550mmに抑えたことによって意外と人気車種になり、2006年にフルモデルチェンジされた2代目では助手席側後部ドアを軽自動車で初めてパワースライド式を採用するなど、基本設計をキープコンセプトとしながらもニーズに応えるため高級化を図りました。

2013年に発売された3代目は前述したようにNMKVの開発車種となります。NMKV創立の背景には三菱側の軽自動車開発コストの削減と日産側の軽自動車市場への参入拡大があります。三菱が軽自動車をOEM供給していた関係で、2010年に両社が合弁会社設立に合意、翌年には正式契約に至っています。

ワゴンRと主なスペックを比較

eKワゴンはトールワゴンで圧倒的な人気を得ている実用性重視のダイハツ・ムーヴやスズキ・ワゴンRとあえて真っ向から対抗せず、普通乗用車を作っているメーカーの蓄積を活かして洗練されたスタイリングと高級感のあるインテリアを特徴としました。

このコンセプトがそれまでの軽自動車を苦手としていた購買層に受け、発売当初は月間販売台数目標の5千台を大きく上回る1万8千台を受注(eKワゴンの派生車種eKカスタムも含む)しました。ここではトールワゴンの元祖で安定した人気を持つワゴンRとの主なスペックを比較します。

eKワゴン(Gグレード)ワゴンR(FXグレード)
全長×全幅×全高(mm)3395×1475×16203395×1475×1640
客室内寸法2085×1295×12802165×1295×1265
車両重量850kg780kg
JC08モード25.8km/L30.6km/L
最高出力36kW(49PS)/6500rpm38kW(52PS)/6000rpm
最大トルク56N・m(5.7kg・m)/5500rpm63N・m(6.4kg・m)/6000rpm

スペックの比較を見ると、エンジン性能ではワゴンRが最高出力や最大トルク、さらに燃費効率を表すJC08モードで優位に立っており、さらに車内空間でも全長で差をつけています。軽トールワゴンのメリットである経済性やユーティリティ性で購入を考えるのであれば、eKワゴンを選ぶ理由はほとんどないといえるでしょう。

インテリアはワンクラス上の高級感

それでもeKワゴンがヒットしたのは、実用性よりもスタイリングを重視したエクステリアとインテリアのデザインが優れているからです。フロントからリアエンドまで滑らかな曲線を描くモノフォルムのエクステリアはベルトラインから下の塊感を強調して安定したイメージを与え、ボディサイドには彫りの深いキャラクターライン2本を配置、軽自動車では珍しく躍動感のあるデザインとなっています。

インテリアはシートとドアトリム、ダッシュボードの色調を合わせるコンビネーションでセンス良くまとめられており、インパネ回りもプラスチック塗装剥き出しの部分がなく、厚みのある樹脂製で構成されています。とくにセンタークラスターはワンランク上のピアノブラックを採用、エアコンの操作をタッチパネル式にして操作性を高めています。

初心者でも安心して駐車できるバードアイビューを設定

eKワゴンはワゴンRなど他の軽トールワゴンに比べるとパワーレスで客室内寸法もけっして広いわけではないので、小さな子供がいる家族にとっては実用的な面で物足りなさを感じるでしょう。

しかし高齢になってきて子供が独立、小さな車へダウンサイジングを考えている人に取ってはそれまでの普通車と変わらぬ質感で運転することができ、免許証を取得して初めて軽自動車を購入する人に取っては運転のしやすさで十分にコストパフォーマンスを実感できる車種です。

Safety Packageグレードを選ぶとマルチアラウンドモニターが装備されます。これはバードアイビューと呼ばれる機能が車の周囲360度をバックミラーのモニターに映し出す装置で、障害物や歩行者などをモニターで確認しながら徐行運転が可能になります。初心者にとって苦手な縦列駐車やバック駐車も不安を覚えることなく行えるでしょう。

筆者の主観的所見

eKワゴンは三菱のJC08モード虚偽申請の影響で新車は値引き幅が拡大、中古車は値下がり感が強くなっており、風評さえ気にならなければ今が買い時といえます。とくに中古車は登録済未使用車が大量に出回っており、オプション装着車の乗り出し価格が100万円前後と格安の状況になっています。

2014年登録車になると販売価格はさらに下がり、走行距離1〜2万kmという状態の良い車種で乗り出し価格が90万円前後、2013年登録モデルになれば80万円前後まで安くなります。三菱が訂正したJC08モードは25.8km/ Lと、軽トールワゴンでは低い燃費効率ですが実際の走行ではライバル車との差は1L当たり2〜3kmで収めることができます。安全性や排ガス規制値には問題がないので、軽自動車購入の際は選択肢に入れておいても損はない車種といえるでしょう。

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