〜軽自動車では満足できない女性に最適〜

ダイハツ・ブーン〜若年層男性を対象にできる魅力がある車なのか?

ダイハツのコンパクト2BOXハッチバックカー、ブーンは2016年4月にフルモデルチェンジが行われ、3代目となりました。ボディデザインは典型的な2BOXでエッジを丸くした2代目を踏襲していますが車内空間の拡大と走行性能の向上が図られています。最近のダイハツはキャストやコペンのようにエクステリアの一部を変更して個性の異なるタイプを設定する販売戦略を取っており、このブーンもスタンダードの他にフロントマスクを中心にデザインを変えたCLIQがラインナップに並んでいます。

メーカー車両情報・ダイハツ ブーン

普通車からのダウンサイジングでも満足できる仕上がり

一般財団法人の日本自動車販売教会連合会が発表している新車乗用車販売台数ランキング2016年度1〜12月を見ると、2位と3位は共にトヨタのアクアとシエンタ、4位以下にもホンダのフィットや日産のノート、10〜20位までにもマツダのデミオを始めとしてコンパクトサイズの車種が多くランキングしており、コンパクトカー市場が激戦区となっていることが分かります。

この背景には、最近のコンパクトカーが以前のように経済性だけを重視したシンプルな車種ではなく、車内装備が上級クラスに匹敵するほど上質になっているので普通車からのダウンサイジングを図るユーザーが増えたこと、軽自動車の大きさに不便を感じたユーザーがステップアップする車種として選んでいることなどが上げられます。

3代目ブーンは2代目と同じボディサイズにして取り回しの良さを活かす一方でホイールベースを拡大、前後乗員間の距離を広げて車内空間の快適性を向上させており、ダウンサイジングを図るユーザーでも満足できる仕上がりになっています。

ホンダ・フィットと主なスペックを比較

コンパクトカー市場が激化したのはホンダのフィットが口火を切ったことから始まりました。ホンダ独自の技術であるセンタータンクレイアウトを採用して広い車内空間を確保したフィットは、それまでトップを維持し続けていたカローラを抜き、年間販売台数で首位に立った経緯を持ちます。現在でもハイブリッドタイプを加えてランキングの常連となっているフィットと主なスペックを比較します。

ブーンX”GパッケージSAⅡ”フィット13G・Fパッケージ
全長×全幅×全高(mm)3650×1665×15253955×1695×1525
客室内寸法1975×1420×12701935×1450×1280
ホイールベース2490mm2530mm
車両重量910kg970kg
エンジン排気量996cc1317cc
最高出力51kW(69PS)/6000rpm73kW(100PS)/6000rpm
最大トルク92N・m(9.4kg・m)/4400rpm119N・m(12.1kg・m)/5000rpm
JC08モード28.0km/L26.0km/L
車両本体価格1,447,200円1,425,000円

ブーンと同価格帯のフィットとスペック上の大きな違いは最高出力と最大トルクで、排気量が300cc多いフィットが大きく上回っています。走行性能面で選ぶのであればフィットに優位性があります。ただし最近のコンパクトカーは排気量が1.〜1.5Lが主流となっており、他のランキング上位に入る車種でも走行性能に関してはフィットと同等のパワーを発揮しています。

最小回転半径は軽自動車並という取り回しの良さ

ブーンは走行性能よりも取り回しの良さや経済性を優先して開発されています。コンパクトカーの潮流は排気量が増えただけでなく全幅も小型車枠いっぱいの1695mmまで拡大しているため、従来のような取り回しの良さがユーザーに実感できなくなっている部分があります。ブーンはあえてエンジン排気量を以前のコンパクトカーの定義であった「リッターカー」に戻し、全幅を1665mmに設計すると同時にトレッドを拡大して最小回転半径を軽自動車並の4.6mに抑えました。

現在、小型車のリッターカーは基本設計が古くなった日産のマーチ以外販売されていない(ブーンのOEM車を除く)状況を考えると、ニッチな車種ではありますが走行性能にこだわらないユーザーには十分に応える機能を持った車種といえます。

コンパクトサイズの車内を広く使うための工夫

ブーンは小型車をさらに小さくするコンセプトではなく、小さな軽自動車を拡大する方向性で設計されており、ダイハツが軽自動車で培ったノウハウが随所に活かされています。インパネ回りはセンタークラスターをコンパクトにしてシフトレバーを設置、前部席はアームレスト付きのベンチシートになっているので足元にたっぷりと余裕があります。

また後部席もホイールベースが延長されたことによって足が組めるほどの空間を確保、背もたれは6:4で分割できるため、3人乗車でカーペットなどの長尺荷物を積載することも可能です。小さな子供のいる家族には適している車種とはいえませんが、子供が独立して夫婦2人で乗る機会が多くなった人や経済性を優先したいけれど軽自動車のサイズでは満足できない人には最適の車種です。

軽自動車では満足できない女性に最適のCLIQ

また軽自動車を卒業したい独身女性にはエクステリアを変更したCLIQがお勧めの車種となります。ヘッドランプが丸型になり、ラジエターグリルが6角形になったことでフロントマスクが個性的になり、ピラーをブラック塗装したことでフローティングルーフのエクステリアに変身、また7色のツートーンカラーを選べることも魅力のひとつです。

フロントガラスはスーパーUV&IRカット機能付き、後部席サイドガラスにもスーパーUVカット機能がついており、チルトステアリングや運転席シートリフターが装備されているので体型の小さな女性でも安心して運転できるベストポジションが設定可能です。

筆者の主観的所見

かつてコンパクトタイプの2BOXハッチバックカーは若年層男性を惹きつける魅力的な車種でした。トヨタのスターレットや日産のマーチ、ホンダのシビックなどにはラインナップにスポーツモデルが用意され、それらはボーイズレーサーと呼ばれていました。

現在でもコンパクト2BOXハッチバックには一部、ボーイズレーサーと呼ばれる車種が販売されていますが販売価格が高価になり、若年層男性が初めて乗る車種として簡単に購入できるとはいえず、その分、魅力も薄くなっています。

ブーンはスタンダードなコンパクトタイプの2BOXタイプで、乗員の快適性を重視した完成度の高い車種ですが、全体的なまとまりの中に若年層男性を対象にできる魅力がありません。予防安全装置までグレード設定して安価に販売できるのであれば、若年層男性向けのカスタムモデルが是非とも欲しいところです。

かつて、ダイハツはリッターカーのシャレードに過激な「デ・トマソ」モデルを追加したように安価で乗ることができるボーイズレーサーが販売されれば、車離れが激しいと言われる若年層男性を惹きつける起爆剤のひとつになるはずです。

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