〜本格的なオフロード車〜

スバルXV〜スタイリングよりもオフロード走行の安全性を求めるアウトドア派

スバルのXVは4代目インプレッサを改良したクロスオーバーSUVです。ガソリンエンジンモデルに加え、スバル初となるハイブリッドシステム搭載モデルが設定されました。トヨタとの共同開発によるこのシステムはシンプルなパラレル方式ですが、モーターだけの駆動が可能となっており、スバル独自のAWD(All Wheel Drive:常時4輪駆動のこと)にも対応しています。

メーカー車両情報・SUBARU XV

ハイブリッドでもスバルらしさを実現したレイアウト

スバル初となるハイブリッドシステムは水平対向エンジンをハイブリッド専用に改良、既存のトランスミッションであるリニアトロニック後方に駆動用モーターを装備したシンプルなパラレル方式です。一般的にトランスミッション後方に駆動用モーターをレイアウトするパラレル方式はエンジンアシストに留まりますが、駆動用モーターにもクラッチを装備したことでエンジンを使用しないEV走行を可能にしています。

ハイブリッドシステムに必要なインバーターやコンバーターなどの高電圧部品はニッケル水素電池と一体化させ、ラゲッジルームのフロア下に集中配置しました。このレイアウトにより、スバル独自の基本構造である重量バランスのシンメトリカル性が保たれ、ハイブリッド車であってもスバルらしさが感じられる仕上がりになっています。

トヨタC-HRと主なスペックを比較

現在、世界中のマーケットでコンパクトサイズのクロスオーバーSUVが好調な販売成績を続けています。国内ではマツダのCX-3や日産のジュークなどが人気を集めており、トヨタはコンパクトクロスオーバーSUV市場で台風の目となることが予想されているC-HRを2016年12月に発売しました。ここではC-HRのハイブリッド仕様と主なスペックを比較します。

XV HYBRID2.0i EyeSightC-HR S
全長×全幅×全高(mm)4450×1780×15504360×1795×1550
客室内寸法2005×1490×12051800×1455×1210
ホイールベース2640mm2640mm
車両重量1510kg1440kg
最低地上高200mm140mm
エンジン排気量1995cc1797cc
最高出力110kW(150PS)/6000rpm72kW(98PS)/5200rpm
最大トルク196N・m(20.0kg・m)/4200rpm142N・m(14.5kg・m)/3600rpm
モーターパワー10kW(13.6PS)
65N・m(6.6kg・m)
53kW(72PS)
163N・m(16.6kg・m)
JC08モード20.4km/L20.0km/L
車両本体価格2,678,400円2,646,000円

C-HRは最新モデルでありながら客室内寸法はXVより小さく、また走行性能面においても最低地上高が140mmと低い上にハイブリッド仕様には前輪駆動しか設定しておらず、クロスオーバーSUVとしての走行性能はXVに劣っていますが、これはトヨタがデザインを重視した想定内のスペックです。

トヨタはコンパクトタイプのクロスオーバーSUVに対して独自の調査を行っており、購入希望のユーザーは優先順位に「デザイン性」を上げ、オフロード走行よりも「オンロード主体」という結果を得ています。C-HRはこの調査結果から開発が始まった車種であるため、オフロード走行性能や車内の居住性よりもエクステリアのデザインを重視、まるでラフスケッチそのままのような革新的スタイルで登場しました。

逆に言えば、アウトドアスポーツを楽しむために山や海へ出かける機会の多い人は、C-
HRではなくSUVの機能が充実しているXVの方が適した車種となります。

スタイリングよりもオフロード走行重視の人に最適な車種

XV HYBRIDは高電圧部品とニッケル水素電池を一体化してトランクフロア下に収納していますが、カーゴルームの積載スペースはガソリンエンジン車と変わらぬ344Lの容量を確保しています。後部席背もたれを前倒させた時のカーゴルーム全長は1630mm,全幅は1070mmとなり、マウンテンバイクやロードバイクでも前輪を取り外せば積載することが可能です。

スバルの水平対向エンジンはフロントオーバーハングが長くなるので傾斜進入に対して重要なアプローチアングルが少なくなってしまうため、本格的なクロスカントリー走行には向いていませんが、最低地上高が200mmあるので平坦なオフロードや雪道であれば高い走破性を示します。スタイリングよりもオフロード走行の安全性を求めるアウトドア派にぴったりな1台といえるでしょう。

筆者の主観的所見

XV現行車は2012年から、ハイブリッド仕様車は2013年からの販売なので中古車市場にはすでに豊富な車数が出回っています。したがってXV購入の場合、中古車も検討材料に入れる方が賢明ですが、現在のクロスオーバーSUVとスバルの高い注目度から高値傾向であることを想定しておいてください。

ハイブリッド仕様は2014年登録モデルで走行距離1〜2万kmの場合、230〜240万円が中心価格帯となり、ガソリンエンジン仕様でもこれより約10万円程度安くなるだけです。200万円を切る車種になると走行距離5〜6万kmの車種を探す必要があります。

高値傾向ではありますが中古車はオプション装着していることが多いので、トータル的に見れば中古車の方が安くなることは確実です。XVを中古車で購入するのであれば、できるだけオプション装着の車種を選びましょう。

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