〜ユーティリティ性に優れた軽自動車〜

ダイハツ・タントは完成度の高い軽スーパーハイトワゴン

ダイハツのタントは小さな子供のいる家族をターゲットにした、全高1.7mを超す軽スーパーハイトワゴンです。小さな子供と車を運転する母親のためのユーティリティ性能が優れており、2007年に登場した2代目からセンターピラーレスとスライドドアを組み合わせたミラクルオープンドアによって軽スーパーハイトワゴンにおける販売台数トップの座を確固たるものにしました。


2代目から採用されたミラクルオープンドア

初代は2003年に発売されました。フロントにエンジンをレイアウト、前輪を駆動するFFでありながら2000mmの室内長、2440mmのホイールベース、さらに全高をトールワゴンよりも高い1725mmに設計、それまでの軽自動車よりも格段に広い車内空間を実現しました。タントの登場によって軽自動車の主役はそれまでのトールワゴンに変わってスーパーハイトワゴンになり、各メーカーが追従して発売するようになりました。

2007年からの2代目にはミラクルオープンドアが採用されています。一般的な車種は後部ドアがヒンジタイプでもスライドタイプでもボディ強度を保つためにセンターピラーが設けられています。タントはこのセンターピラーを取り除き、助手席側ドアを90度開閉、樹石側後部ドアをスライド式にして助手席側に1490mmの大開口幅を作り出しました。

センターピラーがなくなることでボディ強度が気になるところですが、タントはスライドドアと助手席ドアのセンター側に、通常の3倍の強度を持つ超高張力鋼板のピラーを内蔵させることにより、ドアを閉めた状態での強度を確保しています。2013年にフルモデルチェンジとなった3代目現行車からは運転席側後部ドアもスライド式を採用したので、両側を開けると完全に左右のウォークスルー空間が生まれます。

タントと個性を競うN-BOX

軽スーパーハイトワゴンは小さな子供が立ったまま着替えることができ、ベビーカーや自転車も無理なく積めることから比較的若い家族層に人気があり、装備が充実しているのでファーストカー(最初に購入する車種)としての資質も備えています。ここでは軽スーパーハイトワゴンの市場で高い支持を得ているタントとホンダのN-BOX2車種の主なスペックを比較します。

タント(Lグレード)N-BOX(Cグレード)
全長×全幅×全高(mm)3395×1475×17503395×1475×1780
室内寸法2200×1350×13652180×1350×1400
車両重量920kg950kg
最高出力38kW(52PS)/6800rpm43kW(58PS)/7300rpm
最大トルク60N・m(6.1kg・m)/5200rpm65N・m(6.6kg・m)/4700rpm
JC08モード28.0km/L25.6km/L

タントとN-BOXはほとんど互角のスペックといえるでしょう。車内高に関してはややN-BOX、車内長はタントが上回り、エンジン性能では燃費効率でタントが、最高出力や最大トルクではN-BOXが上回っています。タントのミラクルオープンドアは大きな特徴となりますが、N-BOXも同様に独自技術のセンタータンクレイアウトがあり、車内の快適性を高めています。

2013年に発売されたスズキのスペーシアは前出の2車種に比べるとやや物足りない性能でしたが、2015年5月のマイナーチェンジで、マイルドハイブリッドシステムのS-エネチャージを搭載、JC08モードは軽スーパーハイトワゴンでトップとなる32.0km/Lを達成しました。この3車を選ぶ基準としては燃費ならばスペーシア、走行性能であればN-BOX、そしてユーティリティ性ではタントといえるでしょう。

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予防安全装置のSAⅡを全グレードに設定

タントがライバル車より優れている点はベースグレードのLからハイグレードのXターボまで、すべてのグレードに衝突回避・軽減システムのスマートアシストⅡ(SAⅡ)が設定されていることです。

SAⅡはラジエターグリル内のレーザーレーダーで前方の車や障害物を、フロントウインドウ上部の単眼カメラで人物を、さらにリアバンパー内のソナーセンサーによって後部の障害物まで検知します。前方で衝突の危険があると判断した時は緊急ブレーキを作動させ、後部ではエンジン出力を強制的に抑制します。

また単眼カメラは車線も認知するので居眠り運転等でふらついた走行の場合、車線逸脱警報機能が働き、ドライバーに警告灯と警報で注意を促します。軽自動車の中では最新の設備となるSAⅡは約5〜6万円高になるだけなので、コストパフォーマンスに優れた予防安全装置といえます。

筆者の主観的所見

タントのミラクルオープンドアは小さな子供のいる家族にとって、とにかく優れたユーティリティ性を発揮します。寝ている子供を車内に座らせる時や車内での着替え、ベビーカーを積載する、あるいはチャイルドシートを設置する時など、とにかくあらゆるシーンで便利さを実感できます。

自然吸気エンジンのパワーが物足りないという人にはターボチャージャー付きの選択肢があり、女性的なエクステリアが嫌い、という人には男性的なカスタムが用意されています。

カタログに載らない細かな点にも配慮が行き届いており、たとえば前席、後席ともドアやボディに外側の肘を逃がすスペースがあるため、軽自動車特有の幅の狭さを若干解消したり、フロントガラスを極端に湾曲させてサイドに回りこませているので左右の視認性を高めたりしています。

強いて欠点を上げるとしたらセンターメーターを採用しているインパネ回りにチープ感が漂う程度のことで、この点も購入の実権を握る家庭の主婦に取っては大きな問題とならないでしょう。2016年7月の時点ではもっとも完成度の高い軽スーパーハイトワゴンといえます。

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