『査定価格+上乗せ金額＝買取価格』になる！

査定価格は対象車両の基準価格から加減点されて決まる

中古車販売店は中古品小売業に属しているので販売する商品、つまり中古車の販売価格は各営業者が自由に決めることができます。

しかし、各営業者が相場を無視した販売価格を設定すると消費者が混乱することから財団法人の日本自動車査定協会（JAAI)が生まれ、厳正な査定を行うことによって中古車の適正価格化が図られるようになりました。

査定は対象車両の走行距離や年式、車の状態による加減点方式です。したがって対象車両の標準価格が必要になります。この標準価格の目安となるのが、毎月1日にJAAIから発行されているシルバーブックやイエローブック、またはオートガイドが発行しているレッドブックです。

表記の方法は異なりますが、現在、中古車市場に流通しているほとんどの車種を網羅しており、それぞれの車種のグレードや年式、走行距離などから基準価格を算出している、いわば中古車を取り扱うプロのためのガイドブックです。

査定価格とは、これら発行物の基準価格から対象車両の状態を査定、その加減点を与えて算出した状態の評価価格です。ネットの一括査定サイトに申し込むと各業者が一斉に仮査定価格を提示してきますが、スピーディな理由は各業者とも申請される車両に対して予め基準価格の設定を行なっているからです。

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査定価格からどれくらいの上乗せ額があるか？

実際の査定価格は各業者が出張査定、または店頭査定（実際に対象車両を査定基準に基いて調査すること）を行い、加減点をつけて算出するので査定価格そのものは各業者で大きく異なることはありません。

ただし、買取価格になると大きな差が出てきます。査定価格がそのまま買取価格になる車種もありますが、よほどの不人気車でない限り、上乗せがされます。

つまり、

『査定価格+上乗せ金額＝買取価格』

になります。

売却側は少しでも上乗せ額の多いところへ売却したいけれど、各業者はできるだけ上乗せ額を少なくして利益を多くしたいので、各業者は交渉の際に買取価格を提示せず、「他社はいくら出すか？」「いくらだったら売ってくれるのか？」というセールストークを使ってくるわけです。

上乗せ額は各業者のニーズが左右する

実際、上乗せ額は各業者によって違ってきます。買取価格はオートオークションにおける落札価格や自社流通の販売価格予想によって決まりますが、この情報は共通しているわけではなく、各業者独自のネットワークや情報網によって収集されています。

したがって対象車両のニーズがある業者ほど上乗せを行い、結果として高い買取価格を実現できます。

対象車両の査定価格を正確に知る方法

一般消費者はレッドブックやシルバーブックなどプロ用資料を見る機会がないので基準となる査定価格を知ることは難しいのですが、査定価格を知る方法が２つあります。１つはディーラーに下取り価格を聞くことです。

ディーラーは車買取業者と同じように査定業務を行いますが、そこで算出された査定価格に下取り価格を上乗せすることはありません。ただし、新車購入予定であれば新車販売価格から値引きを行い、それ以上の値引きを要求された時、下取り価格を上げることがあります。

もう１つはJAAI専属の査定士が配属されている全国52ヶ所の支社で査定を受ける方法です。査定は業者への売却だけでなく、事故で損傷した時の商品価値減価や社用車の資産評価などさまざまな状況で求められます。

対象となる車両の適正な査定価格を算出する第三者機関として認められており、査定後はJAAIによる査定証が発行されます。ただし、JAAIの査定は有料になります。

ディーラーの下取りによる査定価格、またはJAAIによる査定証はあくまでも目安であり、実際の出張査定で算出された査定価格とは異なる場合があります。しかし買取価格における上乗せ額はある程度予想できるでしょう。