〜プラグインハイブリッド〜

トヨタ・プリウスPHV〜モーター走行距離60kmを実現

トヨタは2016年12月に2代目プリウスPHV(プラグインハイブリッド)の先行予約販売を開始しました。トヨタはモーター走行を基本として電池切れになるとエンジンとモーターを併用するPHVを現段階でもっとも環境に貢献できる車種と位置づけています。

モーターのみの航続距離は約60km、ハイブリッドにおけるJC08モードの車内計測値は37.0km/Lを記録しています。都市部の近距離移動だけであればハイブリッドシステムを作動させることなく、モーターだけの走行で十分に間に合う経済性と環境性能を備えています。

メーカー車両情報・トヨタ プリウスPHV

プリウスと差異化を図ったエクステリア

3代目プリウスの派生車種となった初代プリウスPHVは駆動ユニットを変更しただけで外観上に違いはありませんでしたが、2代目となる現行車はボディフォルムこそ共通となっているものの細部のデザインを変更しており、外観上でも違う車種であることが分かります。

フロントマスクではプリウスのLED単眼ヘッドランプに対して小型のLEDを4個並列にしたヘッドランプに変更、「薄く・小さく・低い」デザインにしたことでシャープなイメージを作り出しています。またフロントフォグランプも小型化、ターンランプとアクセサリーランプを縦位置にまとめたことですっきりした表情に変わっています。

TNGAによってPHVでも低重心化を実現

サイドシルエットはほとんど同じですが、リアに回るとデザインが大きく異なっています。最大の変更点は空気の流れを感じさせるような膨らみを左右に持たせたダブルバブルバックドアウインドウの採用です。リアサイドから回りこむリアスポイラーと一体化された形状となっており、空力性能を向上させると同時にプリウスPHVの個性を際立たせています。

ダブルバブルバックドアウインドウはトヨタで初の採用となりますが、もうひとつ、初採用されているのがトヨタの次世代新型プラットフォームTNGAです。Toyota New Global Architecture(トヨタ・ニュー・アーキテクチャー)の頭文字を取ったプラットフォームは単なる車体の基礎というだけでなく、複数のクルマ作りができるように幅広い対応力を持たせた基幹という考え方で開発されました。プリウスにおける具体性は車体の低重心化と乗車時のベストな姿勢の確保が実現しており、とくに低重心化はトヨタのスポーツカー86と同じレベルまで下げられています。

VWのゴルフGTEと主なスペックを比較

現在、国内で販売されているPHVはプリウスを除くと三菱のクロスオーバーSUV、アウトランダーPHEVしかありません。ホンダはアコードのPHVを販売していましたが2016年3月に生産終了しています。国内では人気薄の感があるPHVですが欧州、とくにドイツ車はPHVに力を注いでおり、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツ、BMWなどが販売しています。ここではプリウスと同じくCセグメントに属するフォルクスワーゲンのゴルフGTEと主なスペックを比較します。

プリウスPHV/td>

ゴルフGTE
全長×全幅×全高(mm)4540×1760×14704265×1800×1480
客室内寸法
車両重量1360kg1580kg
エンジン直列4気筒1.8L直列4気筒ターボ1.4L
最高出力72kW(98PS)/5200rpm110kW(150PS)/5000〜6000rpm
最大トルク53kW(72PS)
163N・m(16.6kg・m)
80kW(109PS)
330N・m((33.6kg・m)
モーターパワー142N・m(14.5kg・m)3600rpm250N・m(25.5kg・m)/1500〜3500rpm
JC08モード37.0km/L(トヨタ自社計測)23.8km/L
モーター航続距離60km53.1km

駆動力ではゴルフGTEが優っており、燃費効率ではプリウスPHVが優位に立っています。これは両車に与えられた個性の違いで、フォルクスワーゲンはGTとネーミングしていることから分かるようにスポーティモデルにまとめており、GTIに匹敵する性能を持っています。一方、プリウスPHVは初代から燃費効率を追求した車種で、モーター航続距離とハイブリッド走行距離を含めると世界でもトップクラスの低燃費車になります。

充電装備を改良して充電時間を短縮

プリウスPHV最大のメリットは駆動用バッテリーを自宅や充電ステーションで充電でき、約60km以内であればガソリンを使わずに走行できることです。これまで電気自動車やPHVは充電にかかる時間の長いことがデメリットでしたが、プリウスPHVは充電器出力を2kWから3.3kWに拡大、さらに急速充電機能の追加などによって若干の充電時間短縮が図られています。AC200V(16A)では満充電まで約2時間20分、専用回線が不要で自宅の電源から充電できるAC100V(6A)では約14時間、また充電ステーションによる急速充電(80%)は約20分で完了します。

大人4人の快適性を重視した車内空間

遠距離運転や夜間運転の機会が少なく、都市部での近距離運転が主体の人であればプリウスPHVは電気自動車と並ぶほどの経済的な車種になります。ただし、自宅が一軒家で充電設備を屋外に設置できるか、あるいは最低限コンセントが必要になります。集合住宅では自宅充電が行えないため、近隣に充電ステーションのあることが購入の条件となります。

また後部席はこれまで3名乗車でしたが、中央部にセンターコンソールを設置したため2名乗車に変わっています。家族5人で出かけることが多い人は必然的に選択肢から外れます。ただしセンターコンソールを設けたことによって後部席のプライベート空間が明確になり、快適性は向上しています。子供が独立し、大人の運転時間を快適に、しかも経済的に楽しみたい、という人には最適の車種となるでしょう。

筆者の主観的所見

プラグインハイブリッド車は自宅に充電設備があれば最適ですが、集合住宅などで設備工事ができない場合は充電ステーションまで行かなければなりません。この手間がネックとなって電気自動車やPHVが普及しなかったわけですが、最近は公共充電ステーションの設置数が増えており、自宅以外でも比較的ラクに充電できるようになりました。

約5分間の充電で40km程度の走行が可能になる急速充電ステーションは約5,000基、普通充電ステーションは約8,000基が設置されており、今後も増える予定です。また三菱や日産などメーカーが用意している充電器、さらに自宅に設置してある充電設備まで含めると4万基以上になり、全国で約34,000ヶ所しかないガソリンスタンドを凌ぐ数になります。

ただしガソリンスタンドは1ヶ所に数基の給油システムがあり、給油時間も2〜3分で済むため、数で上回ったからといって電気自動車やPHVに優位性があるとはいえません。それでも2013年の段階では急速と普通の充電ステーションを合わせて1万基にも満たなかった状況を考えると好ましい環境になりつつあるといえるでしょう。充電ステーションがさらに増えれば自宅に充電設備を設置する必要すらなくなる可能性もあります。PHVは今が購入の旬とも言えます。

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