〜軽自動車の中でも極めて個性的〜

日産モコ〜女性にお勧めな個性派の軽トールワゴン

日産のモコは2016年5月まで販売されていた軽トールワゴンです。スズキからのOEMを受けていた車種で、元車となったMRワゴンが2015年末で生産終了となったため、それに伴って日産も販売を終了しました。最終モデルとなった3代目は若年層女性をターゲットにしており、アメリカンライクなミニバン風の箱型フォルムと広い車内空間がセールスポイントになっています。

メーカー車両情報・日産 モコ

日産のリバイバルプランとして販売された軽自動車

モコの初代は2002年に登場、日産初の量産軽自動車として発売されました。日産は前年、リバイバルプランの一環として軽自動車業界への参入を表明、スズキとのOEM供給で合意しており、その最初の車種となりました。初代は若い主婦層をターゲットにしており、フロントからリアまで一体化したエクステリアのワンモーションフォルムを採用、多彩なシートアレンジやATコラムシフトなど主婦層でも運転がしやすくて使い勝手の良い車種にまとめられていました。

モコは元車のMRワゴンと差異化を図るためにフロントマスクを変更しています。初代はラジエターグリルを日産のアイコンであるウインググリルに、2006年にフルモデルチェンジした2代目はマーチやノートと共通するフェイスデザインに、2011年から販売された最終モデルは親しみのある丸みを帯びたフロントマスクになっています。

また最終モデルは前述のように訴求対象を同じ女性でも主婦ではなく独身若年層に絞り込んだことからエクステリアを個性的にすべく全面的に刷新しました。ボンネットとキャビンをはっきり分けた2BOXタイプにして、サイドウインドウを後方に向かって絞り込んでいく懐古的なミニバンスタイルを採用、デザイン性を高めています。

ライバル車ダイハツ・コンテとのスペック比較

現在、独身女性が訴求対象の軽自動車はスズキがラパン、ダイハツがココアを販売していますが、どちらも2BOXハッチバックをベースにしており、モコのようにトールワゴンをベースにした車種はありません。唯一、ライバル的存在となるのはムーヴをベースにして中性的なデザインに仕上げたダイハツのコンテです。ここではモコとコンテの主なスペックを紹介、比較します。

モコ(Xグレード)コンテ(Xグレード)
全長×全幅×全高(mm)3395×1475×16253395×1475×1655
客室内寸法2135×1285×12602000×1335×1350
車両重量820kg840kg
最高出力38kW(52PS)/6000rpm38kW(52PS)/6800rpm
最大トルク63.N・m(6.4kg・m)/5200rpm60N・m(6.1kg・m)/5200rpm
JC08モード30.0km/L27.6km/L

コンテのエクステリアはモコ同様、ボンネットとキャビンをはっきり分けた2BOXタイプで平面基調となっており、エッジに丸みを持たせることで男性でも女性でも受け入れやすいデザインになっています。またインテリアカラーもアイボリーで統一し、イメージカラーのマスカットグリーンメタリックをダッシュボードやシートのパイピングに使ってアクセントを出すなど、オシャレ空間の演出にも気を配っています。

コンテより3年新しい基本設計

しかし、コンテは2008年の発売以来、1度もモデルチェンジを行なっていません。マイナーチェンジを頻繁に行なって新装備を加えているものの、やはり基本設計の古さは否めません。インパネ回りはドアトリムよりも高い位置に設計され、センタークラスター下には収納ボックスがあって左右の移動がしづらくなっており、やや圧迫感があります。

対してモコはシックなブラウンを基調としたインテリアで、インパネはドアトリムからセンターまでアイボリーで統一、メーター回りと操作エリアをブラックでまとめ、すっきりしたデザインに仕上げています。またセンタークラスターをコンパクトにしているので圧迫感がありません。

JC08モードで2.4km/Lの差をつけているのもモコの方が3年新しい設計によるものでしょう。また両車ともにカスタム系を設定していますが、コンテがより男性的スタイルにデザインされていることに対し、モコはあくまで女性が望む上級志向の仕様になっています。

『カワイイ系』軽が苦手な女性に最適

現在、独身女性向けの車種となっているラパンとココアは『カワイイ系』デザインに仕上がっています。他の軽自動車では実用的、かつ家庭の匂いがする、でも『カワイイ系』は恥ずかしくて乗れない、という個性的な女性にこそモコは最適な車種となります。

かなりニッチなニーズですが、それに対応できるのもボディ規格サイズが決まっているため、外板部分やインテリアの一部を変更するだけで派生車種が比較的簡単に作れる軽自動車の魅力のひとつといえるでしょう。

筆者の主観的所見

モコの元車となったMRワゴンのフロントマスクは最近の軽自動車の中でも極めて個性的です。ヘッドライト上部をボンネットラインと合わせたために上目使いとなり、ラジエターグリルは細い台形にデザインされています。さらにシルバーメッキモールの加飾がないので、まさに『口元がへの字の強情そうな』イメージを与えます。

モコはヘッドライト上部をボンネットまで食い込ませて丸みを与え、ラジエターグリルは逆台形にしてMRワゴンとは逆のファニーフェイスにデザインしました。両車のフロントマスクは好みが分かれるところですが、実際の販売台数はモコの方が多く、その影響は中古車市場にも表れています。

モコもMRワゴンも新車の販売が終了しているので購入は必然的に中古車となりますが、車数はモコの方が多く流通しており、好みのボディカラーやグレードを選ぶことができます。

2016年7月現在、販売終了に伴う在庫処分の登録未使用車が中古車市場に出回っており、車検期間が2019年まで残っている登録済未使用車が乗り出し価格(総支払額)100〜110万円で販売されています。今後、モコの中古車の車数は減っていく一方なので、今がモコの中古車としての旬といえるでしょう。

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