〜スバルのフラッグシップモデル〜

マイルドな走行性能にシフトしたレガシィB4

レガシィB4はスバルのフラッグシップモデルとなるミドルクラスのセダンです。スバル独自の技術、水平対向エンジンとAWD(Auto Wheel Driveの略。スバルは4輪駆動をAWDと呼んでいます)によって車体のバランスを最良に保つシンメトリカル機構を持ち、道路状況を問わず安定した走行を実現できることが大きな特徴となっています。


世界ラリー選手権で性能をアピール

レガシィB4の初代は1989年に登場しました。当時、スバルは4WDシステムが北米で人気を集めていましたが国内販売は振るわず、倒産の危機を何度も迎えていました。その現状を打破すべく開発されたのがレガシィです。

プラットフォームから新型を採用したレガシィは搭載する水平対向エンジンの低さを活かして、フロントからリアに向かって高くなる「くさび形」をエクステリアのモチーフとしました。さらに各ピラーをブラック塗装してルーフを浮かせたように見せるフローティングルーフ・デザインを採用、スバルの前身である中島飛行機が製造していた航空機のキャノピーをイメージさせるなど、スバルの特徴を強くアピールしたフォルムにまとめられていました。

エンジンは新開発の水平対向4気筒2.0Lを搭載、当時は悪路専用と思われていた4輪駆動をセダンに取り入れており、国産車の中では強い個性を発揮する車種に仕上がりました。スバルはレガシィを世界へアピールするために世界ラリー選手権へ出場、1993年にはスバル初の優勝をもたらし、その後のインプレッサの快進撃につなげました。

アウディA4quattroと主なスペックを比較

初代以降、水平対向エンジンと4輪駆動は歴代レガシィに引き継がれており、現行車は6代目となってさらに熟成が進んでいます。ここではレガシィB4と同じく4輪駆動のスポーティセダンとして人気の高いアウディA4quattroとの主なスペックを比較します。

レガシィB4A4 2.0 TFSI quattro
全長×全幅×全高(mm)4795×1840×15004735×1840×1430
客室内寸法2030×1545×1220
車両重量1530kg1660kg
エンジン水平対向4気筒2.5L直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ2.0L
JC08モード14.8km/L15.5km/L
最高出力129kW(175PS)/5800rpm185kW(252PS)/5000~6000rpm
最大トルク235N・m(24.0kg・m)/4100rpm370N・m(37.7kg・m)/1600~4500rpm
車両本体価格2,916,000円5,970,000円

アウディA4 は2016年に約8年ぶりのフルモデルチェンジを行い、エンジン性能を大幅に高めました。スペックだけを見るとB4を大きく引き離しています。一方のB4は5代目までインタークーラー付きターボモデルを用意、5代目最終モデルの2.0GT DITは300PSを発生するハイパワー仕様でしたが、6代目からは自然吸気型エンジン1本に絞っています。力強い走行性を求めるならばA4となりますが、約300万円の価格差を考慮するならコストパフォーマンスはB4が上回っているといえるでしょう。

車内の静粛性を高めるために細部まで改良

B4は6代目から洗練された高級セダンを目標として開発されており、これまでのスバルらしい技術の固まり感がある車種というだけでなく、目に見えない部分の改良が数多く行われています。

エンジンは5代目から採用されたFB25型を継承していますが、約80%の部品を改良してチェーンやピストンなどの作動音を低減させて車内の静粛性を高めると同時に吸気音のチューニングも行なってドライバーに心地よいエンジンサウンドを提供しています。またスバル独自のトランスミッション、リニアトロニックはオートステップ変速制御を装着したのでシフトチェンジがナチュラルな感覚になったことも改良点のひとつです。

車内の静粛性向上はエンジンの改良だけに留まりません。サスペンションの取り付け位置を変えてボディ剛性を高めたことによって振動騒音を軽減させ、遮音材を全面的に見直して車内のパネル類の厚みを増やし、さらに遮音フロントガラスやリアワイパーの形状を変えて風切音を抑えるなど、細部に至るまで改良が行われています。

B4は個性派向きの高級セダン

現行車B4は5代目までのようにアクセルを踏み込めば荒々しい加速をするハイパワーセダンではなくなりましたが、シンメトリカル機構による安定した走りは継承されています。パフォーマンスの追求ではなくマイルドで洗練された走行性が大きな特徴となったB4はスバルのフラッグシップに相応しい個性を持った車種といえるでしょう。

これまでのスバリスト(スバルの熱狂的ファン)には物足りなさがあるB4ですが、逆にスバルファンでなくとも違和感なく乗ることができる高級セダンです。他の人と同じ車に乗るのは好まない、4輪駆動の安定した走りを都市部でも味わいたい、という人であればお勧めできる1台です。

筆者の主観的所見

現在、量販車を製造しているメーカーで水平対向型のエンジンを採用しているのはポルシェとスバルだけです。水平対向型は直列型のようにピストンが縦に動くのではなく水平に動くため、エンジンの振動が少なく高いバランス性を保つことができますが、反面、カムシャフトの数が増えるなど構造が複雑になります。

またエンジンオイルがシリンダー下側に溜まってしまうのでエンジン始動時はオイルが燃焼するため、オイルの減りが早くなります。またオイルがつねにヘッドシーリングと密着している状態になるのでオイル漏れにも十分注意しなければなりません。

さらにスバルはAWDを採用しているのでドライブシャフトの部品数も増えます。これらのメンテナンスを定期的に行わなければならないことがスバルのデメリットといえるでしょう。しかし水平対向型の低音サウンドやAWDによる安定した走行など、デメリットをしのぐメリットを持っているのがスバルの車種です。実用性よりも車全体の魅力を知る人に取ってはデメリットもまた、スバルの魅力のスパイスとなることは間違いありません。

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