〜車種別歴代総生産台数2位〜

7代目になってダウンサイジング化が進んだVW・ゴルフ

フォルクスワーゲンのゴルフは欧州Cセグメント(日本の区分では、大きめのコンパクトカークラス)に属するミドルサイズの2BOXハッチバックカーです。

量産車の車種別歴代総生産台数ではトヨタのカローラに次いで2位となっており、輸入車の車種別販売台数でも長くトップの座を確保していました。Cセグメントはドイツ御三家と呼ばれるメルセデス・ベンツがAクラス、BMWが1シリーズ、アウディがA3シリーズを販売しており、他にもアルファロメロやボルボなどヨーロッパの各メーカーがひしめき合っている激戦区です。その中でゴルフは比較的安価なことをセールスポイントとして健闘を続けています。


初代はコンパクトカーのベンチマーク的存在

ゴルフはフォルクスワーゲンのtype1、通称ビートルの後継車として開発されました。ビートルはフェルディナント・ポルシェ博士の設計によるRR(リアエンジン・リアドライブ)方式でしたが、ゴルフはローコストでコンパクトに設計できるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式を採用しました。

FF方式のゴルフはその後、BMCミニと並んで世界中のコンパクトカーのベンチマーク的存在になり、ボディサイズがCセグメントまで拡大された現在でも、FF方式を継承しています。

ゴルフはヨーロッパ車の中でも早くからエンジンのダウンサイジング化に取り組んでいます。2012年にフルモデルチェンジされて7代目となった現行車のポピュラーなTSIシリーズのエンジンは、直列4気筒の1.2Lと1.4Lのインタークーラー付きターボチャージャー装着モデル、さらにクリーンディーゼルの直列4気筒1.6〜2.0Lの4種類だけで、すべて2.0L以下となっています。なお、日本で販売されている車種にディーゼル搭載車はありません。

ヨーロッパでは車をセグメントで分類します。セグメントにはA・B・C・D・E・Fがあり、Aは最も小型で、価格が安いクラスになり、一方Fでは、最も大型で、価格が高いクラスになります。

Cセグメントは、全長4.2m~4.5mで、大きめのコンパクトカークラスです。


同クラスのアウディA3と主スペックを比較

ホットハッチのGTIでも2.0L、かつてはV型6気筒3.2Lを搭載していたゴルフRもGTIと同じエンジンを搭載しています。トヨタのクラウンに近いボディサイズを持ちながら小排気量でも十分な走行性能を確保しているのはデュアルクラッチのトランスミッションと徹底したボディの軽量化が大きな要因となっています。ここではCセグメントでライバル車となっているアウディA3と主なスペックを比較・検討します。

ゴルフTSI(highline)アウディA3(Sportback)
全長×全幅×全高(mm)4265×1800×14604325×1785×1450
車両重量1320kg
排気量1.4Lインタークーラー付きターボ
最高出力103kW(140PS)/4500〜6000rpm90kW(122PS)/5000〜6000rpm
最大トルク250N・m(25.5kg・m)/1500〜3500rpm200N・m(20.4kg・m)/1400〜4000rpm
JC08モード19.9km/L19.5km/L

スペック的にはゴルフの方が若干上回っています。アウディA3はゴルフのライバル車であると同時にアウディがフォルクワーゲン傘下のグループ企業であるため、同じCセグメントでも棲み分けから差異化を図っていることが窺えます。ちなみに車両本体価格はゴルフが328万円、アウディが303万円とスペック分だけ安くなっています。


トランスミッションの多段化とディアルクラッチ

1.2Lや1.4Lの小排気量でも走行に十分なパワーを与え、しかも好燃費になる要因はエンジンの過給器やボディの軽量化などいろいろな要素があります。この要素のひとつとなるのがトランスミッションの多段化です。トルク特性を低回転域に合わせ、ローポジションのギア比を低く設定にしておけばストップ&ゴーでもスムーズに発進でき、高速道路など連続走行する際はハイポジションのギア比を高く設定にしておけばエンジン回転を低くできるので燃費効率が上がります。このローとハイポジションの間を多段化することでエンジン回転数を一定にできます。

ヨーロッパ車、とくにドイツ車は多段化を進めており、メルセデス・ベンツのAクラスはデュアルクラッチの7速、BMW1シリーズは8速のオートマチックを採用しています。ゴルフはメルセデス・ベンツと同じデュアルクラッチの7速を使っていますが構造は若干違っており、Aクラスは7G-DCT、ゴルフはDSGと呼んでいます。

ミドルクラスでもシックな車種が欲しい人に最適

ゴルフの特徴は目に見えないところでもしっかりと設計している点です。たとえばボディに使われている鋼材は製造コストの高い超高張力鋼板を車全体の37%に使い、しかもそれらを深い溶け込みが可能になるレーザー溶接を用いています。この超高張力鋼板とレーザー溶接によって高いボディ剛性を実現しました。

Cセグメントに相当する日本車はミドルクラスです。このサイズの日本車は多くがセダンタイプとなり、車内装備もやたらと豪華になり、その分、車両本体価格も高くなります。

しかし、ミドルクラスのボディサイズは欲しいけれど荷物を積載することも多いのでセダンは避けたい、車内がやたらと豪華になるのはもっと避けたいという人もいるでしょう。シンプルだけれどシックな内装を持つゴルフは、そんな人に最適な1台といえます。

筆者の主観的所見

ディアルクラッチとはギアを奇数軸と偶数軸の2系統に分け、それぞれにクラッチを設けているトランスミッションのことです。走行に奇数軸のギアを使っている時、偶数軸がもうひとつのクラッチにつなながって待機しており(偶数軸の時は奇数軸)、変速をコンピューター制御で自動的に行うため、手動のマニュアル操作よりも早く、しかも適切なギアを選ぶことが可能です。

AT車と同じく2ペダル、Dポジションで走行できるのでAT限定免許証でも運転できます。基本的な構造はマニュアルトランスミッションと同じなのでATのトルコンによるパワーロスがなく、マニュアル的感覚で走行できるために欧州車では好んで採用されています。

反面、デュアルクラッチになるのでトランスミッションが重くなり、構造が複雑になるので故障しやすいというデメリットを持っています。またマニュアル的な走行感覚なのでATのようなスムーズさがないため、日本や北米ではあまり好まれておらず、ATやCVTが全盛となっています。

ゴルフのトランスミッションはすべてのグレードでデュアルクラッチ(DSG)が使われています。故障に不安を覚える人やAT感覚の方が好きな人はBMW1シリーズを選んだ方が無難です。

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