〜若年層向けのメルセデス〜
メルセデス・ベンツBクラス〜国産ミニバンと新車価格が大差ないBクラス
Bクラスは欧州Cセグメントに相応する2BOXハッチバックカーです。このセグメントに属する同メーカーのAクラスとはプラットフォームを共用しており、車内空間を拡大する目的で開発されました。
乗用車に関してはミドルクラス以上を中心にして最高級品質を追求してきたメルセデス・ベンツの、利益率向上と若年層ユーザーの確保という営業戦略の新機軸を全面に推し出した車種です。
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スタンダードなプラットフォームで高い品質を実現
2代目となるBクラス現行車はAクラス3代目とプラットフォームを共用していますが、デビューはBクラスの方が早く、2011年に登場しています。A、Bクラスともに初代はコンパクトカー市場の戦略車として開発され、当初は電気自動車を投入する予定で設計されました。
しかし駆動用ユニットやバッテリー収納問題が解決せず、それらを床下に収納するための2重構造「サンドイッチコンセプト」のままガソリンエンジンを搭載したことから、Aクラスは「メルセデス・ベンツ史上、最大の失敗作」と評されてしまいました。
現行車はともにサンドイッチコンセプトを採用せず、オーソドックスなプラットフォームを使ったFF方式となっており、ミドルクラス以上の車種と変わらぬメルセデス・ベンツらしい高い品質を保った車種に仕上げられています。
A180と車内空間を比較する
Aクラスとの違いはわずかなボディサイズと車内空間の広さです。ベーシックな2BOXハッチバックのAクラスに対してユーティリティ性と居住性を向上させただけのモデルを同じCセグメントに投入するという営業戦略の新機軸にメルセデス・ベンツの本気度が感じられます。エンジン性能は基本的に同じなので、ここでは両クラスの車内空間について比較します。
B180 | A180 | |
全長×全幅×全高(mm) | 4400×1785×1545 | 4300×1780×1435 |
前部席座面高 | 1010mm | 965mm |
後部座面高 | 975mm | 950mm |
後部席車内幅 | 1440mm | 1420mm |
車両重量 | 1450kg | 1430kg |
ホイールベース | 2700mm | 2700mm |
トランクスペース | 488〜1547L | 341~1157L |
車両本体価格 | 3,160,000円 | 3,290,000円 |
両車とも搭載されているエンジンは1.6Lの直列4気筒DOHCターボチャージャー付きで最高出力は 90kW(122PS)/5000rpm、最大トルクは 200N・m(20.4kg・m)/1250〜4000rpmとなっています。走行性能においては大差なく、Cセグメントのスタンダードなスペックといえるでしょう。
両車を比べてはっきりするのが車内空間の広さとラゲッジルームの収容能力です。後部席に関してはBクラスの方が高さで25mm、幅で20mm拡大しているため、大柄な大人が乗ってもくつろげる広さを確保しました。さらにラゲッジルームは4人乗車でもBクラスの方が140L以上のスペースをがあるので長距離ドライブでも荷物の収納に余裕があります。この収容能力はCセグメントの中でもトップクラスの値となっています。
メルセデス・ベンツらしい重厚感の中にもライト感覚の装備
この車内空間から分かるように、Aクラスは運転感覚を重視したスタンダードな2BOXハッチバック、Bクラスはオールラウンドなユーティリティ性を備えたステーションワゴン的な存在となっており、似たような車種であってもCセグメントではきっちりと棲み分けができているといえます。
Cセグメントに初めて投入されたコンパクトクラスは静的重心位置が高いというだけでなく、フェンダーやリアハッチを始め、各部所に樹脂製を多用したためにチープ感が出たこともマイナス要因となりました。その欠点も現行車はすべて取り除かれ、Cセグメントではあってもメルセデス・ベンツの持つ重厚感を失わず、さらに若年層を意識したライト感覚の装備が調和したデザインになっています。
とくに間接光で車内をラグジュアリーな雰囲気に演出するアンビエントライトは走行性能に関係のない小技ですが、これまでのメルセデス・ベンツにはなかったポップな装備です。間接光のLEDは12色から選べ、ドアを開けると照明色が変化するウェルカムファンクション機能も備えており、夜間の乗車を魅力的に照らしてくれます。
オールラウンダーの車種を求める人であれば選択肢に入れたい車種
欧州ではAクラスとBクラスの棲み分けができていても、長期バカンスもなければ快適に安く長距離ドライブができる道路事情を持たない日本国内で差異化するのは難しい部分があります。AクラスとBクラスの選択肢では好みによる部分が大きくなりますが、国産車のミニバンやステーションワゴンの選択肢で迷うのであればBクラスは候補に入るコストパフォーマンスを十分に持っています。
乗員はミニバンのように7名乗車できず5名限定になりますが、収容能力が高いことに加え、最小回転半径はわずか5.2mなので都市圏での取り回しも比較的ラクな操縦性能を持っています。国産のミニバンでは実用性があってもラグジュアリー感や運転する楽しみが少ない、という人に取って、国産のミニバンと新車販売価格で大差がないBクラスは最適の車種といえるでしょう。
筆者の主観的所見
メルセデス・ベンツのコンパクトカー・クラスは、中古車になると価格下落幅が大きいミドルセダン以上の車種と違い、中古車市場では高値から安値まで相場範囲が広いという特徴を持っています。たとえば現行車のB180グレード2013年登録モデルで走行距離2〜3万kmの場合、下は140万円、上は270万円と約130〜140万円の幅があります。
これだけの価格幅があるのは対象車種に付帯されている保証制度が大きく影響しています。正規販売代理店となっているヤナセの保証がついていると販売価格が高くなり、販売店が独自で保証をつけている車種は比較的安くなります。
販売店の独自保証車であってもメルセデス・ベンツ日本が正規に輸入した車種であれば、故障しても日本国内のディーラーで修理を受けることができるので、安く買うのであれば販売店独自の保証車の方が得策でしょう。ただし並行輸入車になると国内ディーラーでは修理を受け付けないことがあるので注意が必要です。中古車で購入する場合、必ず正規輸入車であることを確認した方が無難です。
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