〜ミドルグレードでも装備が充実している〜

初心者女性でも運転しやすいスズキのアルトラパン

アルトラパンは若年層女性を訴求対象にした軽自動車2BOXハッチバックカーです。ネーミングからも分かるようにアルトをベースにした派生車種で、2015年のフルモデルチェンジで3代目となりました。開発段階から女性が関わっており、『自分の部屋にいるようなくつろぎと心地よさ』がコンセプトになっています。


初代は2BOXハッチバックのレトロなスタイル

初代は2002年に発売されました、ボンネット部分とキャビン部をはっきり分けた2BOXハッチバックスタイルですが、それぞれのボックスエッジ部分に丸みを持たせ、全体的にソフトなイメージを作り出しています。エクステリアは平面基調となっており、フロントマスクやサイドビューを直立させてレトロな雰囲気の演出に成功しました。

2008年のフルモデルチェンジではベースモデルをアルトからワゴンRに変更して車内空間を拡大しましたが、同じく女性向け車種としてMRワゴンがあったことから2015年のアルトフルモデルチェンジに合わせてベースモデルを変更、3代目は再びアルトの派生車種となっています。

エクステリアのキーコンセプトである箱型のエッジを丸くした『まる しかくい』デザインは継承されていますが、フロントとセンターのピラーをブラック塗装し、リアとクォーターガラスをスモーク調にしてフローティングルーフを演出するなどモダンなイメージになり、レトロな雰囲気は薄まっています。

ライバル車「ダイハツ・ミラココア」とのスペック比較

若年層女性と訴求対象をはっきりさせた他の車種としては、ダイハツのミラココアがあります。ここでは両車の主なスペックを紹介して比較します。

アルトラパン(Sグレード)ミラココア(Xグレード)
全長×全幅×全高(mm)3395×1475×15253395×1475×1530
客室内寸法2020×1295×12401930×1345×1240
車両重量680kg810kg
最高出力38kW(52PS)/6500rpm38kW(52PS)/6800rpm
最大トルク63N・m(6.4kg・m)/4000rpm60N・m(6.1kg・m)/5200rpm
JC08モード35.6km/L29.0km/L

エンジン特性では最高出力に大きな差はないものの、アルトラパンの方が低回転で最大トルクを引き出せるようになっており、ストップ&ゴーの多い都市圏ではミラココアに比べて若干、運転しやすいセッティングにしているといえます。また最小回転半径でもアルトラパンの方が0.1m短いので小回り性能でも上回っています。

新型プラットフォームで大幅な軽量化を実現

アルトラパンの最大の優位性は燃費効率です。2015年、スズキはアルトのフルモデルチェンジを行なった際、新型プラットフォームを採用して徹底した軽量化を果たしました。ボディは高張力鋼板の使用率を全体の16%まで高め、スズキの主力エンジンであるR06A型はシリンダーヘッドとマニホールドを一体化させるなどの小型軽量化を図り、車両重量を量販車で最軽量となる650kgまでシェイプアップしています。

このアルトをベースにしているので車両重量増はわずか30kgに留まり、JC08モードは35.6km/Lを達成、ミラココアを大きく引き離しています。カタログ値でこれだけの差がつくと実走行でも燃費の違いを体感できるでしょう。

まるで自分の部屋にいるようなインテリア

インテリアのデザインと装備には開発に加わった女性のセンスが反映されています。インパネはコーナーテーブルをイメージしており、木製の水平面を強調、その上に置き時計のようなスピードメーターやフォトフレームのようなディスプレイを配置、シートにはキルティング柄を取り入れており、自分の部屋の中にいるイメージを与えてくれます。

視認性の良い大きなスピードメーター下部にはマルチインフォメーションディスプレイが設置されています。平均燃費や航続可能距離など走行に必要な情報から、任意入力すれば誕生日や記念日などをイグニッションONと同時に音声で知らせてくれる機能もついています。走行には関係ない小技ですが、こういった細やかな装備も女性には嬉しいポイントでしょう。

ミドルグレードでも十分な装備

アルトラパンは訴求対象が若年層女性とはっきりしています。免許証を取得して初めて軽自動車を購入する女性には最適の車種といえます。ボディデザインや車内装備の女性らしさに加え、センターピラーの傾斜角度が立っていること、インパネを低く設計していること、2BOXハッチバックがベースでもヒップポイントを高くしていることなどから視認性が良いため、運転しやすいことも初心者向きです。

Sはミドルグレードですが、運転席と助手席に寒い冬でも早く温まることができるシートヒーターが標準で装着されている他、サンバイザーのバニティミラーには照明をつけるなど女性向け装備が充実しています。フレンチミントパールメタリックを始め、多彩なボディカラーも用意されており、車両本体価格の約128.5万円は十分なコストパフォーマンスを発揮するといえるでしょう。

筆者の主観的所見

ラパンアルトの廉価グレード、Gに搭載されているトランスミッションは他のグレードのCVTと違って5AGSが搭載されています。AGSとはAuto Gear Shiftの略ですが、ATやCVTと異なるのはクラッチがついていて、その操作を自動的に行う点です。

電動油圧式アクチュエーターという部品が自動的にクラッチ操作を行うのでマニュアルトランスミッションの機能を2ペダルのオートマチック感覚で運転できるというのがメリットです。このAGSはATではトルク不足や燃費効率が悪くなる商用車のために開発されているので、現段階では乗用車のトランスミッションとして未完成な部分があります。

ATやCVTと同じようにDレンジに入れておけば自動的に変速しますが、クラッチを操作することから変速ショックが大きく、商用車ベースのトルク配分なのでギアのチェンジアップが遅いため、燃費効率も悪くなっています。GグレードだけがJC08モード29.8km/Lと他より劣っているのは5AGSの影響です。

M(マニュアル)レンジに入れて任意にギア操作すれば燃費効率は向上しますが、マニュアル車ほどのキビキビしたシフトチェンジは期待できません。Gグレードを購入する際はトランスミッションが異なっていることを想定しておいてください。5AGSが変速ショックと乗用車に適したトルク配分を実現すれば新しい形態のトランスミッションになることは間違いありません。将来性があるだけに、早期の改良が望まれるところです。

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