任意保険の種類と補償内容一覧
任意保険には、主に7種類の保険があります。
さらに、いろいろな特約をつけることができます。
対人賠償保険&対物賠償保険は大変ポピュラーで、次いで、人身傷害保険・車両保険が人気です。
任意保険の種類と補償内容(2020年度の加入率)
補償の対象 | 人(治療費など) | 物(賠償・補償) |
相手への補償 | 相手に怪我をさせた 対人賠償保険 | 相手の物(車など)を壊した 対物賠償保険 |
自分への補償 | 運転者や同乗者が怪我をした 人身傷害保険 搭乗者傷害保険 自損事故保険 無保険者傷害保険 | 自分の車が壊れた 車両保険 |
相手方への補償
対人賠償保険(加入率75.0%)
交通事故の相手方(被害者)や、ドライバーを除く同乗者の死亡や障害に対して補償されます。ただし、対人賠償保険で支払われる補償は他人に対してのみです。事故の相手が父母・配偶者・子どもなどの家族の場合は補償外になります。
対物賠償保険(加入率75.1%)
交通事故を起こして、他人の車などの物に対して損害を与えた場合にその損害額が保証されます。バス・鉄道、または店舗に対する物損の補償や、バス・鉄道が運休したり、店舗が休業した場合の休業による損失も補償されます。
車による怪我(ケガ)の補償
搭乗者傷害保険(加入率25.8%)
車の運転手本人や同乗者の死亡・傷害に対して補償されます。対人賠償保険と異なり、ドライバー本人や家族でもあっても補償されます。
人身傷害補償保険(加入率70.2%)
自賠責保険や人保険の対人賠償保険では、自分自身の死亡や傷害には補償されませんが、この保険では補償されます。また同乗者の死亡・傷害に対して自賠責保険や任意保険で支払われる補償額では、被害者への補償額が不足しても十分な補償がされます。搭乗者傷害保険よりも補償内容が更に充実しています。
その他の保険
自損事故保険
交通事故を単独で起こした場合(自損事故)や相手方の過失がゼロ(運転する側の過失が100%)であっても、運転手本人や同乗者の死亡・傷害に対して補償されます。
無保険者傷害保険
交通事故の相手が任意保険に未加入であったり、加入していても補償額が十分でなかったり、当て逃げ・ひき逃げで加害者が不明な場合などは、十分な補償が受けられませんが、この保険に入っていれば補償対象になります。
任意保険の補償額はどのように決められる?
任意保険の補償金額は、自賠責基準・任意保険基準・裁判(弁護士)基準で決められます。
自賠責基準は、自賠責保険から支払われる際に決められる補償額を基準にして、任意保険で支払われる補償額が決められます。保険会社から示談の交渉を受ける際に、この基準が利用されることがありますが、3つ基準の中では、一般的には、もっとも低い補償額になるので、この金額での示談に簡単に応じることは避けるようにしなければなりません。
任意保険基準
任意保険基準は、それぞれの任意保険会社が独自の基準で定めている支払基準です。自賠責基準よりは高額な基準ですが、次に述べる裁判(弁護士)基準よりは低い額です。
保険会社は当社の基準で最高額ですという言い方で提示しますが、裁判(弁護士)基準よりは低額なので、疑問や満足できない場合は妥協しないことも必要になります。ただし、裁判を行うと弁護士費用が掛かるので、裁判で上乗せされる金額が弁護士費用よりも低いと実質的には任意保険基準が良いことにもなります。
裁判(弁護士)基準
財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部が、過去の裁判例などを調査・研究して編集した「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(一般的に「赤本」と呼ばれている)」に定められている補償額を基準としたものです。従って、実際に裁判をした結果ではなく、裁判をしたとした場合に見込まれる補償額となります。
ただし、この支払基準は、裁判所の判決には100%の影響を与えないので、補償額に不満足な場合は、弁護士費用がかかりますが、裁判に訴えることで増額になる可能性はゼロではありません。
また任意保険には、弁護士費用等補償特約を付けることができます。できれば付けておきたいですね。
詳しくは、弁護士特約のページで!
弁護士費用特約を付けると弁護士に相談する場合や示談交渉を依頼する場合に、裁判の際の弁護士費用が上限金額まで補償されます。
軽自動車の場合の補償内容・範囲
軽自動車と普通乗用車では、補償内容・範囲に差はありませんが、軽自動車は任意保険の保険料が安くなります。安くなる金額は、補償内容、年齢、等級などの条件によって、年間数千円から数万円までの幅があります。
また、保険会社によっても保険料は異なるので、できるだけ多くの保険会社に見積もりを依頼すると良いでしょう。また、普通自動車には車種の違いによって定められている型式別料率クラスによって保険料が大幅に変わることがありますが、軽自動車にはこの区分がありません。
型式別料率クラスとは、事故の多い型式の車は保険料が高く、事故の少ない型式の車は保険料の安くなる制度です。実際の事故率や修理金額に基づいて、1~9の9クラスに分類され、保険料の見直しが行われています。クラスで保険料の差は、約20%程度あります。
もっとも安い1クラスと9クラスでは約4倍も保険料が変わります。一概にいえませんが、若者に人気の型式の車などが事故が多いので高くなります。
保険料が平均2万5千円安くなる
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