現代の自動ブレーキ4種類を簡単解説


構想道路の渋滞で起動する自動ブレーキ

自動ブレーキは、主に前方の障害物との衝突被害を軽減する目的があります。障害物との距離と相対速度を測定する装置によって、衝突回避能力にも違いが生じます。測定装置の種類と特徴を詳しく見てみましょう。

査定の評価額を高め過失事故の低減に直接作用する「自動ブレーキ装置」ですが過信は禁物です。自動ブレーキシステムの効果は既に実証済みですが、悪天候ではシステムがダウンすることもあります。

このときノーマルな状態に戻りますから、人が100%操作する必要が出てきます。


自動ブレーキは大別すると4種類

①ミリ波レーダー

100mを超える遠方の車両など障害物とも距離を検知することができる、また、天候や昼夜間を問わず正確に測定が可能であり、状況による差が生じにくい。車両などレーダー波の反射しやすい物体のみを把握、残念ながら人の飛び出しなどに対処できません。

追尾運転など擬似的な自動運転にも対応し、優れた検知機能を誇る反面、価格が高く普及は高級車を中心にオプション設定となっています。大手メーカーで採用されていますが、衝突回避の考え方や設定に違いがあり50km/hを超える速度で衝突回避できる車種はごく限られています。

②ステレオカメラ

左右それぞれのカメラによる画像の差異をピクセル単位で測定し距離や動きを検知する。測定距離はミリ波レーダーには若干劣るとされるが、現実的な距離には十分対応できる。悪天候や昼夜の明るさに対しては、人の目と同様レベルで感知することから、一定の明るさやコントラストの違いで十分実用範囲で使える。

最新のカラー映像出力のタイプでは、測定の幅や天候、自動車のテールランプや信号機の色を検知するので、さらに対応幅が広がっている。価格が安く、動く人への検知も可能なことから、2017年現在、もっとも優れたシステムとして注目を集めています。

③赤外線レーザー

5万円程度のオプション価格と安価でシステムによる導入のしやすさが大きな特徴で、主に軽自動車からコンパクトカーへの採用が主流です。しかし、検知速度は概ね30km/hとされており、それ以上の速度域では動作しないものがほとんどです。

各社軒並み、実際の衝突回避能力を期待できるのは、一般的に15km/h以下の速度としています。残念ながらそれ以上の速度では、「スピードを落として衝撃を緩和する」ことは可能ですが、ぶつかってしまう結果がでています。

④ハイブリッド

近年実用化されている、上記三種の測定方法の欠点を埋める方法として、今後期待されている技術です。シングルカメラとミリ波レーダー、ステレオカメラとミリ波レーダー、赤外線レーザーとシングルカメラの組み合わせによるシステムがあります。ハイブリッドタイプは、スバルがアイサイトの前に取り組み発売しましたが、高価だったことから販売に結びつかず成功しませんでした。

現在トヨタが販売するステレオカメラとミリ波レーダーの組み合わせによる、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステムは、優れた結果を発揮しています。また、安価な赤外線レーザーとシングルカメラのシステムは、セーフティセンスCと呼ぶ、2015年からトヨタが大衆車を含む多くの車に採用する次期主力安全システムです。

自動ブレーキ付きを過信しない!

降雪時の着雪によって、赤外線レーザー、ミリ波レーダーの受発信装置のエラー、逆光線の際にステレオカメラの認識能力がダウンするなど、使えなくなることもあります。この状況では、まだ、人による運転操作が必要になってきます。自動ブレーキ付き車でも「注意義務と運転操作の責任は運転者にある」ということを忘れないで下さい。

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