黄色点滅信号での事故
昼間は通常の信号が点いて交通整理されていても、深夜になると道路の広い方が黄色点滅、狭い方が赤色点滅になる交差点があります。
特に、都市部の幹線道路以外では、深夜になるとほとんどが点滅信号になってしまう道路が多いんです。。
事例
事故現場となった交差点は、幅6mの道路と幅3.5mの道路が交わる交差点で、6m道路は両側に店が並んだアーケードがある商店街になっていて人通りも多く、昼間は通常の信号だが午後10時になると6m道路側が黄色点滅、3.5m側が赤点滅信号へ変わるようになっていた。
米田勝一(仮名・19歳)は、自宅へ友人を招いて話した後の午前0時頃、父親のステップワゴンの助手席に友人を乗せ友人宅まで送るため自宅を出発し、赤点滅信号がある3.5m道路から交差点を東から西へ通過しようとした。米田にしてみればよく通る道だし、アーケード商店街の中を抜けて車が来ることはほとんどないだろうという思い込みがあった。そのため停止線で時速20km位に減速しただけで交差点内へ進入したのである。
そこへ深夜バイトへ出勤するため6m道路のアーケードの下を北から南へ、原付で通りかかったのが片岡翔太(仮名・22歳)だった。片岡は黄色点滅信号に気付いていたが、減速せず時速30km位で交差点へ進入した。こちらも赤色点滅信号側が一旦停止するのが当然だという思い込みがあった。
米田が不運だったのは、交差点の北東角に商店がぎりぎりまで建っていて右側の見通しが悪く、さらに片岡が6m道路の左端を走行してきたことで米田が片岡を発見するのが遅れた。お互いの思い込みと不運が重なって、米田のステップワゴンは片岡の原付を正面からはね飛ばしてしまい、片岡は原付とともに6m道路の右端まで飛ばされて左大腿骨骨折、腰椎と頸椎の捻挫などで3カ月の入院生活になってしまった。
一旦停止したか、減速したかで変化する双方の過失割合
こうしたケースの判例は、四輪車が一旦停止または減速したか、単車が減速したかによって過失割合が変わってくる。この事故の場合、片岡は「自分は制限速度内で走っていただけだ」と無過失を主張したが、『単車減速せず・四輪車減速』により米田75:片岡25という過失割合で決着した。しかし米田はこの事故で累積点数が大幅に増えたため運転免許取消処分を受けてしまった。
減速が決められているのに守るドライバーが少ない黄色点滅信号
ドライバーの大半は信号を守っているはずですが、こうした点滅信号を侮ってはいないでしょうか?これらの交差点は深夜になると交通量が少なくなるため、赤色点滅信号は一旦停止、黄色点滅信号は減速徐行という交通法規を知っていてもドライバーは的確に守ろうとしないことが多でしょう。
特に黄色点滅の場合は、こちらが優先だと通常走行で交差点を通過しがちですが、そんな心理に落とし穴が潜んでいます。