長距離ドライブで事故を防ぐ効果的な4つの対策


長距離運転

長距離ドライブでは、「睡魔」「疲労」「渋滞」などによる「焦り」「注意力の欠如」などが襲ってきて事故につながる可能性が高くなります。

さらに、長距離ドライブでは高速道路を利用することも多く事故を起こすと大きな事故になるので、事故を起こさないように注意しなければなりません。長距離ドライブで事故を起こさないための4つの対策について紹介します。

長距離ドライブでは体の異変を感じる前の対策が必要な理由

長距離ドライブ時には、体に異常を感じていなくても見えないところで危険が進行しています。例えば、同じ姿勢を長時間取ることで起こるエコノミークラス症候群は突然症状が現れます。また、運転が正常にできていると思い込んでいても注意力が大きく落ちた状態で運転を続けている可能性もあります。たまたま十分な注意力が必要なかったので事故が起きなかっただけなのかもしれません。

居眠り運転による事故も、まだこの程度は大丈夫という思い込みで無理に運転を継続するから起きています。危険な兆候が現れれば即時に対策を採ることはもちろん、兆候が現れていなくても予防策を定期的に行うことをしないと事故につながります。

長距離ドライブがもたらす4つの危険性

長距離ドライブがもたらす事故の危険性にどのようなことがあるのでしょうか? それらを知って早め、早めに回避策を講じることが事故を起こさないために大切です。長距離ドライブがもたらす危険について紹介します。

1.睡魔の誘い

睡眠時間が十分でも、長距離ドライブでは眠気を催させる理由として、高速道路、特に夜間の場合には、単調な運転になって眠気が湧いてきます。また、疲労することで眠気が出やすくなります。さらに深夜から明け方にかけての時間帯は、生活習慣として毎日寝ている時間帯なのでどうしても睡魔が襲ってきます。この時間帯に1度でも眠気を感じたら、休息して睡眠を取ることが必要です。

2.疲労の蓄積

車の中で同じ姿勢を保つと血流が悪くなることで、首や腰にまず筋肉疲労が来ます。疲労がくると、その分だけ集中力がなくなり注意力が散漫になります。また、運転中は急な割り込み運転や渋滞その他さまざまなストレスを感じて精神的な疲労がたまります。

精神的な疲労は多くの睡眠を必要とすることから、長時間のドライブでは睡魔に襲われることが多くなります。適度なストレスは単調さからくる睡魔を追い払う効果がありますが、長時間にわたるストレスは逆に睡魔を誘います。また、睡魔を感じなくても疲労を感じると注意力が欠如して危ない運転になるので、疲労しないようにしなければなりません。

3.焦りの発生

長距離ドライブでは、事故や自然渋滞などの道路事情で予定した到着時間が大幅に狂うことが多くなります。そのため焦りが生まれて無理をして時間の遅れを取り戻そうとスピードオーバーや無理な追い越しなどの危険運転をしがちです。約束した待ち合わせの時間や、宿泊施設の夕食時間などに間に合わせたい気持ちはわかりますが安全運転を優先させる勇気が必要です。

4.注意力の欠如

注意力の欠如は、すでに述べた「睡魔」「疲労」「焦り」から生まれます。そのほか、家族が同乗していれば家族との会話や家族の長距離ドライブによる「睡魔」「疲労」「焦り」が起きてそれがドライバーの注意力をなくします。また、長距離ドライブでは、知らない道路を走ることも多く行く先に気を取られたり、危険個所が分からずに注意を働かせなかったりして危険な状態になりやすくなります。

長距離ドライブで事故を防ぐ効果的な4つの対策

1.遅れを取り戻すためにスピードアップをしない

長距離ドライブでは、さまざま事情で予定した時間通りにいかず多くの場合は予定した時間遅れが生じます。その時間の遅れを多くの人はスピードを上げることで取り戻そうと考えます。しかし、多くの場合、取り戻したいと思うのは1時間以上遅れが生じた場合です。

そこで、例えば、500キロの長距離ドライブで半分の距離を走った段階で1時間の遅れを取り戻そうと思った場合で考えてみましょう。今までよりも20キロのスピードを上げて走ったとして、今までのスピードが100キロであれば2時間30分を2時間8分と22分の短縮しかできません。250キロの中に一般道が含まれていれば、信号などの影響でさらにその差は小さくなります。高速道路でも渋滞が途中にあればその差は小さくなります。無理をして頑張っても、その頑張りに対して時間短縮の効果は小さいと考えた方が良いでしょう。

2.食事・休憩は場所でしない

長距離ドライブの場合、多くの人はA地にはおいしいB料理があり、B地にはCという観光スポットがあるから食事はA地で休憩は観光を兼ねてB地でのように場所で決めます。しかし、これだと途中の交通事情で時間が狂うと無理をして予定の時間よりも長く運転しなければならなくなって疲労がたまります。また、急いで無理をした危険な運転を行いやすくなります。これを避けるために食事や休憩は場所ではなく、時間を優先して取るようにしましょう。

3.休憩は2時間おきに取る

休憩は、できるだけこまめに取るのが良いですが、長くても2時間おきに休憩を取り、軽い屈伸運動を行って血流を良くするようにします。休憩といっても座席に座っているだけではあまり効果がありません。なお、エコノミークラス症候群は条件によって異なりますが、一般的に4時間から6時間くらい同じ姿勢を取り続けると起こる危険性が高まります。どうしても2時間おきの休憩が取れない場合は、こまめな水分補給やかかとの上下運動、ベルトを緩めるなどを行うと起こりにくくできます。

4.神経を使う運転をしない

長距離ドライブでは、無理な追い越し・車線変更やスピードアップした運転を行うと単にその行為だけでも危険ですが、精神的な疲労が蓄積して眠気が来て集中力がなくなりさらに危険度が上ります。気持ちをゆっくり持って運転することが重要です。

5.眠気を感じたら即、休憩または仮眠をする

眠気を感じたら即、休憩を取って軽い運動または仮眠を必ず取ることが大切です。高速道路ではSA・PA以外では原則休憩は取れないので、その間の眠気覚ましにガム、水、キャンディなどを必ず用意しておいて眠気を弱められるようにして運転を行います。

どうしても眠気が取れず危険と感じたら、やむを得ないので路肩または高速道路であれば非常停止帯に停止します。そのとき路肩であれば危険防止のために、ハザードランプを点灯させ、発炎筒を燃やし、停止表示器を設置して、軽い運動を行って眠気をさまします。その場合は必ずガードレールの外へ出てから行います。高速道路では車内で仮眠を取るのは危険な上に違反行為です。眠気を取って速やかにSA・PAまで移動します。

高速道路に数百メートルおきに設けられている非常停止帯なら仮眠しても良いのでは思う人もいるかもしれませんが、ここで仮眠するのも法律違反です。厳密には仮眠ではなく眠気のための一時停止も法律違反です。ここに停車できるのは、非常時に限られています。

非常時とは、車の故障やパンク、事故のさいに救助するとき、急病などです。非常に強い眠気も非常時なのでは思われるかもしれません。しかし、そもそも運転は眠気を感じるような状態で運転することは避けなければならないものとされているので非常時にはあたらないとされています。(阪木朱玲)

ページの先頭へ