意外と知らない?自転車事故は自動車保険の特約でカバーできる


自転車の事故件数は、警察庁の報告によると2014年度は10年前に比べると、約4割減少した92,192件です。しかし、自転車が加害者になる可能性の高い歩行者との事故件数は横ばいで推移しています。

そして、ニュースで報じられる通り、自転車側が加害者となって、ほぼ1値億円という高額な賠償が命じられる裁判事例も出るほか、数千万円以上の事例が増加しています。そこで、高額な賠償事例や、高額賠償に備える自動車保険の特約について説明します。

被害者だけでなく加害者になる危険性が増大

自転車の交通

自転車の対歩行者との事故は全体の自転車事故が大きく減少していくなか横ばいで推移しています。また、対自転車事故との事故も約3割減で全体の事故件数の減少率よりも少なく、相対的には増加しています。なお、自転車事故の対歩行者の事故件数を約20年前の1995年と2014年と比較すると約4.5倍に増加。

また、対自転車事故も同じ年度で比較すると約5倍に増加しています。そのため、自転車事故は子どもの比率が高いので、両親が自転車に乗っていた昔とは、対歩行者、対自転車との事故が起きる危険性が大きく変わっていると思った方がよいでしょう。

補償に関しても子どもが起こした事故に対して両親に賠償が命ぜられています。また、急速に高齢化が進み、高齢者との接触事故は、相手が若いとケガもしない程度の事故で済む場合であっても重大事故になる可能性が高くなります。万が一に備えておくことが必要です。

自転車事故で加害者になったときの高額な補償が命じられた裁判事例

高額な賠償が命じられた自転車の事故の事例は以下の通りです。

賠償額判決裁判所時期事故概要
約9500万円2013年神戸地方裁判所小学校5年生の男児が、夜間に62歳女性と衝突。女性は頭蓋骨骨折で意識不明に陥った。
約9300万円2008年東京地方裁判所男子高校生が昼間、歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を直進してきた自転車の24歳男性と衝突。男性に言語機能の喪失などの後遺症が残った。
約6800万円2003年東京地方裁判所男性が夕方、ペットボトルを片手に高速度で交差点に進入、横断歩道を横断中の38歳女性と衝突。女性は脳挫傷など死亡。
約5400万円2007年東京地方裁判所男性が昼間、信号無視で高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の55歳女性と衝突。女性は頭蓋内損傷などで死亡。
約5000万円2005年横浜地方裁判所女子高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で走行中、57歳女性に追突。 女性に重大後遺症が残った。
約4700万円2014年東京地方裁判所男性が、信号無視し自転車で横断歩道を走行し、75歳女性と衝突。女性が死亡。
約4000万円2005年東京地方裁判所男子高校生が朝、赤信号で交差点の横断歩道を自転車で走行中、62歳男性のオートバイと衝突。男性は頭蓋内損傷などで死亡。
約3100万円2002年さいたま地方裁判所男子高校生が朝、自転車で歩道から交差点に無理に進入し、60歳女性の自転車と衝突。女性は頭蓋骨骨折などで死亡。
約3100万円2002年名古屋地方裁判所男子中学生が夜間、無灯火で自転車を走行中、75歳女性と衝突。女性には重大な障害が残った。


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高額賠償が必要になる自転車の事故への備え

自転車による巨額の賠償に備えて、2015年4月に兵庫県が日本で初めて、自転車運転車に損害賠償保険への加入を義務化する条例を制定しました。これは他の都道府県にも広がっていくと思われます。しかし、義務化を待たずに自動車保険と同様に個人で支払い切れない賠償を命じられることがあることから、相手への補償と自分の補償の両方に備えておくことが必要です。

自動車保険に加入していれば、個人賠償責任補償特約を付けることで、自転車事故を起こしたときの相手に対する補償が可能になります。一般的には、補償額の上限は対人賠償額と同じで、同居家族が起こした事故も補償の対象です。一度、特約が付いているか加入している自動車保険を確認して、必要ならつけると単独で個人賠償保険に加入するよりも年間で1000円程度のプラスで済むのでお得です。

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また、自転車で自分がケガをしたときの補償は、人身傷害補償保険が、ほとんどの自動車保険に最初から組み込まれています。保険会社によって、補償範囲が多少異なるので良く確認しておきましょう。保険会社によっては、契約車両のみ、つまり保険をかけている自動車に搭乗中のみの可能性があります。契約車両以外で歩行中も補償される場合は、自転車や歩行中のケガも補償されます。加入している自動車保険の契約内容をチェックして、補償が契約自動車搭乗中のみであれば変更を検討しましょう。(阪木朱玲)

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