駐車場の事故は全体の3分の1〜事故を防止する方法
交通事故と聞くと道路上での事故が大半を占めると想像しませんか? 実は、全事故件数に占める駐車場など道路以外で起きた事故は約3分の1もあります。
スピードが出ていない軽微な物損事故が多いですが、なかには歩行者との死亡事故も発生するので注意が必要です。
また、近年では駐車場内でのアクセルとブレーキの踏み間違いによる大きな事故も発生しています。そこで、駐車場内での事故が多い理由や駐車場内での事故を減らすポイントについて解説します。
駐車場での事故の特徴とは
日本損害保険協会の東北支部の調査によると駐車場での事故比率は約30%、またレンタカー会社による調査でも約35%という報告があります。
事故の内訳を道路上と比較した、日本損害保険協会の東北支部の調査データによると以下の通りです。
事故の内訳 | 駐車場 | 道路 |
車同士の接触 | 54.9 | 61.7 |
壁、フェンスなどの接触 | 29.5 | 21.6 |
落書き・飛来物による傷 | 7.4 | 8.4 |
当て逃げ | 2.8 | 0.8 |
盗難 | 0.2 | 0.0 |
その他 | 5.3 | 7.4 |
参考・
日本損害保険協会
道路上との事故の違いは、車同士の接触事故が少し減り、壁やフェンスなどに衝突する事故が多いことです。人身事故に至るケースは少ないですが、駐車場内でスピードが出ていないとはいえ、死亡事故につながることもあるので注意が必要です。
低速で走行するにもかかわらず駐車場での事故が多い4つの理由
低速で走行し車も歩行者も十分に避けられる余裕がありながら、全事故に約3割が駐車場などで起きるのは、主に4つの理由があります。
理由1 一般道と駐車場での車の走行状況の違い
道路では、右左折する車はありますが、基本的には同じ車線では同じ方向に車両は走行し、右左折車も右左折する意志はウインカーで確認できます。また、歩行者は道路を横断する以外は道路の走行車線上にはいません。一方、駐車場では、車両も人の動きもまったく予測ができないというほどではありませんが、道路上に比べると不規則な動きがします。そのため、止まってくれるだろうという見込み運転や、不規則な動き注意しなければならないため、すべてに注意が行き届かないという問題が駐車場では多発します。
理由2 あせりや運転以外のことへ集中して周囲への注意が不足
理由1でも不規則な動きに対して注意が十分に行き届かないで事故が起きています。それ以外にも混雑する駐車場では、駐車スペースを探すことに集中しすぎて周囲への注意が不足します。特に、急いでいるときは、焦りも加わり余計に周囲への注意が不足するので危険です。また、バックすることに集中しすぎて、両側面への配慮が不足して事故を起こします。
理由3 油断や慣れのための安全確認が不十分
いつも利用している駐車場が、例えば、車の出入りが少なく歩行者がほとんどいない場合、そう思い込んで運転すると注意が不十分になります。そのようなとき、たまたま歩行者、特に子どもがいると安全確認が不十分だと事故を起こす可能性が高まります。
理由4 バックの運転は前進よりも難しく、また苦手な人が多い
多くの人が、バックの運転は死角も多く後ろ、前、左右と注意すべきところが多いのでバック運転は難しく、苦手に思っています。もたもたしているときに後続車が来ると焦って事故につながっています。
駐車場での事故を起こさないための8つの方法
駐車場内での事故を減らすには、以下の方法を徹底して行いましょう。
①スピードは10キロ以下、歩行者がいれば4キロで走行すること
広い駐車場で通路が広くても、多くの車が駐車している場合、いつ急に発進する車がいないとは言えません。必ず10キロ以下の徐行運転を行い、歩行者が多いときや歩行者のそばを通過するときは、歩行速度と同じ4キロ程度まで落とすこと。
②走行順路、レーンが定められている駐車場内では必ず従うこと
③一般道路と同じ一時停止ラインでは、必ず一時停止し安全を確かめること
④駐車場所を探すことだけに注意を奪われないこと
⑤バック駐車は注意を周囲に万遍なく払うこと
バックで駐車するとき、後方、前方、両側面のすべてを交互に短い間隔で安全を確認します。また、スムーズにできないからといって決して焦らないようにしましょう。
⑥ブレーキとアクセルの踏み間違いを防ぐには、アクセルを踏んで発進・バックをしないこと。
前方や後方に人、車、店舗などの障害物がないと確認できてからゆっくりアクセルを踏み込むこと。ゆっくりし過ぎて、後続車両からクラクションなど鳴らされても焦ってアクセルを踏み込まないようにしましょう。
⑦早めに相手車両に自車の存在をクラクションで訴えること。
クラクションの乱用は避けないといけないことです。しかし、駐車場内では相手車両の注意不足で、こちらが停止していても、あるいは動き出さないだろうと思っていても急に動き出して事故が起きることがあります。見込運転を決してしないで、相手車両のドライバーが自車の存在に気づいていないと思われたら、軽くクラクションを鳴らして警告を早めに発するようにしましょう。
⑧屋内駐車場ではヘッドライト点灯して走行、また目だけでなく耳でも注意すること
最近、暗くなるとヘッドライトが自動点灯する機能を搭載した車が増えてきました。駐車場でも屋内だと点灯しますが、オフにしないで走行し、自動点灯しない車も点灯して周囲へ自車の存在をアピールすることで、もらい事故を減らせます。また、寒い冬でも車や歩行者の多い駐車場では、窓を開けて目だけでなく耳からも危険を察知できるようにして走行しましょう。
これらを徹底することで、駐車場内での事故を大きく減らすことができます。(阪木朱玲)
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