道路交通法上、夜間走行時はハイビームが原則の理由


最近、夜間はヘッドライトをハイビームにして走行しなければならないということが、あちこちでたびたび言われるようになりました。

さまざまな理由がありますが、もともとハイビームで走行することが道路交通法では定められていることをご存じですか? 夜間はハイビーム走行の原則であることや、ハイビームが交通事故を減らすために有効な理由を説明します。

夜間走行はハイビームが原則で、実はハイビーム走行しないと違反行為

ハイビーム

道路交通法とその保安基準や告示によって、夜間またはトンネル内など暗い場所では、道路を走行するときは原則としてハイビームでなければなりません。これに違反すると5万円以下の罰金と定めています。ただし、対向車と行き違うとき、また他の車の後ろを走るときはロービームにしなければならないと定めています。

都市部では対向車や前方を走る車が多く、ロービームで走ることが常識で、むしろハイビームが例外と考えられています。例外のなかに、法律上は都市部という規定がないので、都市部であっても対向車や前走車がない限り、厳密にはハイビームにして走行しないと法律違反です。

法律違反よりも事故を減らすために、面倒でもハイビームとロービームを切り替えて走行するようにしなければなりません。切り替えて運転することのメリットを次に紹介します。

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ハイビーム走行が推奨される理由① 危険回避が容易だから

いままでどころか、今でも違反として検挙されないロービーム走行が、改めて強く叫ばれているのは2つ理由があります。

ひとつは、速く危険を察知できて単純に事故回避に有効だからです。ハイビームが走行が良い理由は明確です。ロービームが40メートル先までしか明るくなりません。しかし、ハイビームでは倍以上の100メートル先まで明るくなり、それだけ危険回避に余裕が生まれ安全運転ができるからです。

県警単位ですが、北海道警は2013年に北海道で発生した車と歩行者・自転車の夜間死亡事故は42件でした。そのうち41件はロービームで走行している車の事故であったと報告しています。また、同様に愛知県警は2015年の車と歩行者・自転車の夜間死亡事故で63人が死亡。そのうち1件の事故のみがハイビームで残りはすべてロービームで走行であったと報告しています。

JAFが行った実験では、時速80キロで走行しているとき、ハイビームでは障害物を認識してから平均約80メートル手前で停止できました。しかし、ロービームでは障害物で認識してから平均約6メートル手前でしか停止できずほぼ衝突寸前の状態でした。時速60キロでは愛知県警は停止できるまでに34メートルと報告していますので、40メートル前方までしか見通せないロービームでは、やはりかなり危険な状態です。一般道で80キロのスピードで走行するのは少ないでしょうが、60キロは多くの人が走行するスピードです。危険な横断をする歩行者などがいると、一瞬の不注意で事故を起こします。

ハイビーム走行が推奨される理由② 高齢歩行者の死亡事故の増加

死亡事故件数は、昼間よりも夜間が多いこともありますが、もうひとつの理由は高齢者の死亡事故の増加です。全体の死亡事故件数は減少してきていますが、減少率の低下傾向と高齢者の死亡事故の増加です。

高齢者は、瞬時の危険判断能力の低下しています。そのため、車のスピードと自分の歩行スピードとの比較で横断できると思い込む行動をとります。また、車は停止してくれるものという思い込みや、車の前後を急に通行するなどの行動が増えてきます。加えて、高齢者は服装が暗く地味なものが多く、夜間見えにくいなどで高齢者の死亡事故が増加しています。死亡事故件数を、今まで以上に減らしていくには、高齢化の進展のなかでは、高齢者の死亡事故を減らすことが重要になってきているからです。

面倒でもハイとローを切り替えて運転することで死亡事故リスクを軽減

スピードを出し過ぎては意味がないですが、市街地でも対向車や前に走行車がいなければ積極的にハイビーム走行を心がけましょう。もし面倒ということであれば、車の買い替え時に、ハイとロービームに自動的にしてくれる次世代の高性能なヘッドライトを装備する車も登場しています。積極的に検討すると良いでしょう。

ハイビームではなく、新しい車はすべてすべて従来よりも明るい光源を使って、ロービームでも前方の視野がよくなっています。それ以外に、車の周囲の状況をセンサーで検知し、常にハイビームで走行しても対向車や前走車にまぶしくないようにできる仕組みをもったヘッドライトができています。それだけでなく、歩行者などもカメラが検知し、速く歩行者を認知できるようにヘッドライトや調節やドライバーに存在を音なので通知もします。

LEDが光源として使えるようになり、LEDを多数使用することで1個1個のLEDをコントロールし、対向車のみがまぶしくないように照らせるようになっています。また、対向車にまぶしい光線のみをさえぎる仕組みの車もあります。まだ、一部の車種ですが、今後はどんどん多くの車に採用されていくことになるでしょう。(阪木朱玲)

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