エアバッグの種類と作動しない条件〜エアバックの限界


エアバッグ

エアバッグは車が衝突した際に、0.01秒程度の瞬間で膨らみ乗車している運転手と同乗者の身体への衝撃を緩和します。

国内で使用されているエアバッグは、シートベルトをしていることが前提で乗員の身体への衝撃を緩和するので、シートベルト着用無しでは、最悪エアバッグが膨らんだことによる死亡事故も起きています。

ただし、エアバッグが開かなければ、フロントガラスなどに頭をぶつかる等して別の理由で死亡したことも考えられるのでエアバッグが開かなければ死亡しなかったという訳ではありません。

エアバッグでも死亡・負傷する理由

自動車の衝突実験でエアバッグが開く映像を見る機会がありますが、その映像は多くがスローモーションで再生され、その映像ではエアバッグが緩やかに開き、そしてしぼむように見えるので衝撃が小さいように感じます。

しかし、実際は瞬間的に高い圧力(火薬の爆発)で膨らみ、そしてある程度の強度のあるボール(風船)に一気に衝突する訳なので堅いボールにぶつかるのと同じで相当に強い衝撃を受けます。エアバッグの膨張するときの速度は、時速100km~300kmにも達します。

そのため、擦り傷、打撲、骨折、ヤケドなどの傷害を負う可能性があります。そして、シートベルトをしていないとその衝撃が強まり、心臓破裂、頚部骨折(頸部骨折は横転事故のためエアバッグに対して角度的な無理がかかったことも原因の一因として考えられます)で最悪は重傷事故や死亡事故も起きています。

エアバッグ装着車だからと言う安心感でシートベルトをしないのは危険です。また、エアバッグは一度開くと多重衝突のように2度目、3度目の衝撃には効果がないので、この点でもシートベルトの使用は必須です。

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エアバッグの種類

エアバッグも進化して、いろんなタイプのエアバッグがあります。

  • 運転席エアバッグ
    運転席のドライバーを前面衝突時に頭部および胸部を保護
  • 助手席エアバッグ
    助手席の乗員を前面衝突時に頭部および胸部を保護
  • サイドエアバッグ
    運転席と助手席、または後部座席の乗員を側面衝突時に胸部および腹部を保護
  • カーテンシールドエアバッグ
    運転席と助手席、または後部座席の乗員を側面衝突時または車両横転時に頭部および頚部を保護
  • ニーエアバッグ
    運転席または助手席の乗員を衝突時に腰部の固定および下肢部を保護
  • シートクッションエアバッグ
    運転席と助手席または後部座席の乗員を衝突時に腰部の前方移動抑止および下腹部を保護
  • リアウインドウカーテンシールドエアバッグ
    後部座席の乗員を前面衝突時に頭上で膨らみ頭部および頚部を保護
  • 後席エアバッグ
    後部座席の乗員を前面衝突時に頭部や上半身部を保護
  • 後席センターエアバッグ
    後部座席の乗員を側面衝突時に後部座席の真ん中で膨らみ後部座席乗員同士の頭部および上半身部を保護
  • シートベルトエアバッグ
    シートベルト本体にエアバッグが内蔵され乗員を衝突時に肩ベルトの一部が丸く膨らみ頚部と胸部を保護
  • ドアマウントカーテンエアバッグ
    オープンカーなどカーテンシールドエアバッグ搭載が物理的に不可能な車両の運転席と助手席、または後部座席の乗員を側面衝突時に頭部を保護
  • ITSヘッド・エアバッグ
    運転席または助手席の乗員を側面衝突時に窓枠付近で筒状に膨らみ頭部を保護
  • ぺルビスエアバッグ
    運転席または助手席の乗員を側面衝突時に運転席および助手席の背もたれ外側下部で膨らみサイドエアバッグと同時に作動し腰椎や骨盤を保護
  • その他
    最近では車の乗員を守るのではなく、歩行者を守るために車のフロント部分を覆うエアバッグやトラックによる巻き込み事故を防ぐエアバッグも開発されています。また、バイクや自転車用にも開発されています。

エアバッグが作動しない条件「安全の限界」

衝突角度や衝突速度、衝突物によって相当な衝撃の場合でも膨らまないことがあります。逆に身体に傷害を与えるような衝突ではない、例えば縁石に乗り上げるなどした場合でも一定の衝撃が車に加わると膨らむことがあります。また、最初の衝突の衝撃で膨らむと、2重、3重衝突事故のように2度目、3度目の衝撃に対して何の効果もありません。

エアバッグが膨らむ一般的条件・膨らまない場合

独立行政法人 自動車事故対策機構は、エアバッグが膨らむ条件およびその条件下でも膨らまないケースを紹介していす。

エアバッグが膨らむ条件

時速20km~30km程度以上の速度で、車またはコンクリート壁のような堅い構造物にほぼ正面から衝突したとき。(側面衝突に関する規定は見当たりません。)

前面衝突であってもエアバッグが膨らまないことがある場合

  1. 細い物体、例えば電柱に衝突した場合のように自動車の前面の一部分のみが極端に変形するような衝突。
  2. 車高が高くなっているトラックの荷台や下部に隙間があるコンクリート壁の下に潜り込んだ状態で衝突する場合のように衝撃が一気に車に伝わらない衝突。
  3. 衝突する相手側が、例えば乗用車の側面のように衝突しても相手側が大きく変形するような衝突。
  4. ほぼ正面ではなく斜めの角度での衝突、または車が衝突しながら大きく移動(擦りながらの衝突)するような衝突。

エアバッグ装備車の使用上の注意事項

  • エアバッグ装備車でもシートベルトの使用は必須。
  • シートベルトをしている状態でエアバッグが作動した事故での死亡率は0.9%と非常に低いですが、シートベルトなしでエアバッグのみが作動した時の死亡率は14.0%で、約15倍危険度がアップします。
  • エアバッグ装置にもたれかかったり、近づきすぎたり、手や足を掛けたりしない。
  • エアバッグ装置の上または近くに物を置いたりしない。
  • サイドエアバッグ・カーテンエアバッグ装備車では、正しい姿勢で座席に座りドアや窓枠に寄りかかったりしない。
  • サイドエアバッグ装備車にシートカバーを取り付ける場合、メーカー指定のシートカバーを取り付ける。

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