〜意外と知られていない交通違反のまとめ〜

知らずにやってるかもしれない!「交通違反とその罰則」

自動車・自転車・歩行者の意外と知られていない交通ルールをまとめてみました。道路交通法が2013年12月に改正されています。特に自転車利用者の方は、注意する必要があります。警察の取締はあまり見かけませんが、紹介するほとんどの交通違反には罰則があります。

*このまとめは、道路交通法を参考に作成しました。

以下の3パターンについて調べてみました。

  1. 自動車のルール
  2. 自転車のルール
  3. 歩行者のルール

1

よく見かける自動車の違反

自動車


× むやみにクラクションを鳴らす *道路交通法第54条

× 歩行者にクラクションを鳴らす *道路交通法第54条

【罰則】2万円以下の罰金又は科料


安易なクラクションの使用は、クラクションの重要性が薄れる恐れがあると考えられ、使える場所や機会が限られてます。実際に使用できるケースは以下になります。

  • 見通しのきかない交差点や、道路の曲がり角
  • 危険を防止するためやむを得ない場合
  • 「警音鳴らせ」の道路標識等により指定された場所



*「警音鳴らせ」の標識のあるところで鳴らさなかった場合は違反です。この場合の罰則は重く、5万円以下の罰金になります。


× 窓の閉め忘れ・キーの差しっぱなしで車を離れる *道路交通法第71条

× エンジンの欠けっぱなしで車を離れる *道路交通法第71条

【罰則】5万円以下の罰金

自動車や原付を離れるときは、その車両が他人に無断で運転されることがないようにしなければいけません。


× 先行車・対向車・歩行者がいる場合でハイビーム *道路交通法第52条

【罰則】5万円以下の罰金

あまり知られていませんが、夜間はハイビームで走行させ、先行車・対向車・歩行者がいるときだけロービームにするのが原則です。街中では標準でロービーム使用になってしまうのが日常的ではないでしょうか。


× 携帯電話・スマホ操作などの「ながら運転」 *道路交通法第71条

【罰則】3ヶ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金

言うまでもありませんが、大変危険な行為です。


× サンダル・ハイヒールなどの履き物で運転 *道路交通法第71条

【罰則】5万円以下の罰金

「運転操作に支障を与える履き物」の解釈は、各都道府県の道路交通法施行細則で若干異なりますが、おおむねサンダル・ハイヒールなどは交通違反になります。


× 自動車損害賠償責任保険証明書の不携帯*自動車損害賠償保障法

【罰則】30万円以下の罰金

*未加入の場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金

参考・https://car-rider.jp/hoken/




2

自転車乗りが知っておくべき法律

自転車
道路交通法上、自転車は「軽車両」という位置付けで、車の仲間になります。自転車には免許がないからといって、歩行者と同じ扱いにはなりません。近年になって、自転車への法律が大幅に改正され、環境整備も取組まれています。

自転車の損害賠償もバカにならない

2008年に、高校生が自転車同士の衝突事故で約9300万円の損害賠償命令(東京地裁)、2013年には、小学5年生が歩行者との衝突事故で、母親に約9500万円を命じる判決(神戸地裁)が下っています。毎日お子さんが利用している自転車通学路を、安全に走行しているか確認しましょう。

自転車は左側の路側帯を通行しなくてはいけません

自転車方向

2013年12月1日より道路での自転車の方向は、左側(もしくは左側部分に設けられた路側帯)に限定されています。右側の路側帯を逆走すると交通違反になり、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます。また、自転車道が設けられている場合は、必ずそちらを走行しなければいけません。

× 自転車で歩道を走る *道路交通法17条

【罰則】2万円以下の罰金又は科料

自転車走行可

原則として、車道と歩道の区別のある場合は、車道の左側を走行しなければいけません。ただし、「自転車走行可」の標識がある歩道では走行可能なので、通勤・通学路にある歩道にこの標識があるかをチェックしておきましょう。

以下の場合のみ、自転車は歩道を走行することができます

  1. 道路標識等で指定されている場合
  2. 運転者が13歳未満の場合
  3. 運転者が70歳以上の場合
  4. 運転者に身体の障害がある場合
  5. 交通の状況からみてやむを得ない場合

*歩道では、自転車は車道側を徐行するのが走行ルールです。


× 右折・左折・進路変更時に合図をしない *道路交通法53条

【罰則】5万円以下の罰金

自転車で「右折・左折・停止」する時には、原則手信号(ハンドサイン)を示さなければ「合図不履行」になり違反になります。ただし、安全運転が優先で、危険な状況での手信号は無しでも考慮されます。
自転車ハンドサイン


× 一方通行無視*道路交通法第8条

一方通行

【罰則】3月以下の懲役又は5万円以下の罰金

自転車も規制の対象です。一方通行の場合、補助標識で自転車が除外されているかどうか、確認する癖をつけるようにしましょう。一方通行を逆走することになってしまいます。


× 携帯電話・スマホ操作などの「ながら運転」 *道路交通法第71条

× 傘を差して片手運転 *道路交通法第71条

*傘を自転車に固定させる傘スタンド(さすべえ等)の使用もダメ「傘差し」と「犬の散歩」の施行は、各都道府県でばらつきがあるようです。違反行為に該当しない都道府県がありますが、危険運転に間違いありません。また、ハンドルに荷物をかけて走行するのも違反になる場合があります。

× 自転車で犬の散歩 *道路交通法第71条

× イヤホンなどで音楽を聴きながらの運転や、スマホをいじりながらの運転 *道路交通法第71条

*片耳のイヤホンもダメ

【道路交通法第71条の罰則】3ヶ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金


× 「一時停止」無視*道路交通法第43条

【罰則】3ヶ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金

止まれ

自転車も一時停止の標識では、停止線で一度停止しなくてはいけません。

*路面にペイントされている「自転車ストップマーク」は、法律で定められた道路標示ではなく、一時停止義務がない場所ですが、何らかの理由がある可能性があります。キチンと守りましょう。


× 夜間のライト無し運転 *道路交通法第52条

【罰則】5万円以下の罰金

自転車ライトの目的は、道を照らすだけでなく、自分の存在を目立たせるためでもあります。また、夜間の無灯火の自転車が自動車と衝突事故を起こした場合、過失割合が不利になる原因になってしまいます。


× 酒酔い運転・酒気帯び運転 *道路交通法第65条

【罰則】酒酔いの場合 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
*酒気帯びの場合は罰則なし

道路交通法で禁止されている「酒気を帯びて車両を運転すること、飲酒運転をすること」の車両には、自転車も含まれます。酒酔い運転と、酒気帯び運転の2種類あります。酒酔いは自転車の中で、一番重い罰則が与えられます。また、自転車を運転をする人にお酒をすすめることも禁止されています。


× 歩行者にベルを鳴らす *道路交通法第54条

【罰則】2万円以下の罰金

自動車のクラクションと同様に、道路標識に従ってベルを鳴らさなければいけない場合と、危険を防止するためにベルを鳴らす場合以外には、原則鳴らしてはいけません。


× 2台以上横に並んで走行する *道路交通法第19条

【罰則】2万円以下の罰金又は科料


× 児童・幼児にヘルメットを着用させない *道路交通法第63条

【罰則】なし

保護者にはヘルメット着用努力義務があります。幼児・児童の自転車のケガの約6割は「頭のケガ」だそうです。子供は大人に比べ、頭部の比重が大きいので頭の怪我が多いようです。

あわせて読みたい・
自転車保険の義務化〜賢い保険の使い方



3

意外な交通違反は歩行者にもある

歩行者


× 泥酔歩行 *道路交通法第76条

【罰則】5万円以下の罰金

歩行者も「酒に酔って交通の妨害となるような程度にふらつく」と交通違反になり、罰せられるケースがあります。


× 道路を斜めに横断する *道路交通法第12条

【罰則】2万円以下の罰金又は科料

*スクランブル交差点などの道路標示がある場合は斜め横断OKです。


× 高齢・身体障害のある歩行者を放置する *道路交通法第14条

【罰則】なし

高齢者や、目が見えない歩行者がいたら、安全に道路を横断できるように誘導しなくてはいけません。また、小学校・幼稚園の通学路も、その場に居合わせた場合は、児童が安全に通行できるように努めなくてはいけません。


最後に。。

近年になって、自転車の交通ルールの厳格化が顕著ですが、自動車もこれに伴って厳しく取り締まってくるのではないでしょうか。今回のリサーチを通して「交通事故は自動車が悪い」という訳にはいかなくなってきている印象を受けました。クルマを運転しない方も交通ルールを学んで、子供たちにも教えるようにしましょう。

加害者・被害者にならないように、交通ルールを守りましょう!

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