〜覚えておきたいカミナリ対策〜

知らないと危険すぎる!落雷からの避難方法と必要な雷対策

2012年8月、大阪・長居公園の野外コンサートで落雷が発生、男女10人が病院に搬送され、木陰で雨宿りしていた女性2人が落雷によって死亡する事故が、記憶に新しいと思います。

また最近、関東地方各地で激しい落雷がありました。これがきっかけになり、これからの時期に必要になるかも知れない「雷の避難方法」と、家庭ですべき「電子機器を守る対策」について調べてみました。


落雷の季節は7月から始まります

雷が多くなる季節がやって来ています。7〜9月(夏季雷)に最も多く発生しますが、日本海側(特に秋田県から鳥取県)では11〜3月頃に冬季雷と呼ばれる雷が発生します。冬季雷は夏季雷よりも落雷数は少ないのですが、エネルギーが100倍以上に達することもあるほど、強力だといわれています。

雷雲

落雷は増えているかもしれない

近年になって落雷は温暖化などの影響で、ゲリラ豪雨やスコールのような大雨に伴って増加傾向にあるようです。従来は、山間部での落雷が主でしたが、ここ数年は都市部での落雷のケースが増えていると考えられています。


正しい「落雷から避難する方法」

雷は「高い所・高い物・高く突き出た物」に落ちやすい性質があります。建物の屋上・山の頂上などや、また、周囲に高いものがないグラウンドや、平地が広がる公園・ゴルフ場・屋外プール・堤防・砂浜などは要注意です。

長居公園の落雷

落雷による死亡事故で1番多いのは「開けた平地で雷の直撃」、2番目が「木の下の雨宿りでの落雷」です。この2つが全落雷事故死の半数以上を占めます。

雨宿りは危険です
建物の軒先で雨宿りするは非常に危険です。建物に落雷してしまうと、雷の電気は外壁を伝って襲いかかってくるからです。また、木の陰での雨宿りも、間接的に落雷する可能性があります。「ビル・高い物・木からは、できるだけ離れる」が原則です。

(参考画像: 朝日新聞デジタル

落雷人身被害には色んなタイプがあります

  • 直接落ちる(一番致死率が高い)
  • 木や高い物に落ちた雷が間接的に飛んでくる
  • 木や高い物に落ちてから、地面や物質を伝って感電する

雷が鳴り始めたら。。

①建物の中に避難する
この際には壁側から離れ、なるべく部屋の中心にいるようにします。また、洗濯・洗い物などの家事や、入浴は避けましょう。雷の電気は水道管を通ってくる可能性があります。間違っても軒先で、空模様を眺めるような行為は止めましょう。非常に危険です。

②自動車の中に避難する
自動車がある場合は、自動車の中に入りましょう。車両に雷が落ちても、電気は自動車の外側を通って地面に逃げます。ただし、車内では金属部分には絶対に触らず、なるべく車の中心部に身を寄せる必要があります。

緊急時のために「雷しゃがみ」を覚えておきましょう

開けた平地で、建物や車の避難場所が無いときの対処法です。アメリカ国内の落雷が多い地区では、登山・ハイキング・キャンプなどに出向く前に「雷しゃがみ」(Lightning Crouch)と呼ばれる、雷から避難するために推奨されているポージング(姿勢)を学びます。

雷しゃがみの姿勢

■雷しゃがみの姿勢
①頭を下にかがめる(できるだけ姿勢を低くする)
②両手で耳をふさぐ
③足の両かかと同士を合わせる
④つま先で立つ(かかとを地面から浮かせる)

③&④が重要なポイント
両足のかかとを合わせる(付ける)理由は、万が一、雷の電気が足から進入しても上半身まで流れないように、片足から反対側の片足へ、Uターンさせて流し返すためです。

また、つま先で立つ理由は、地面との接点を可能な限り小さくして、電気の侵入を最小にするためです。

子供に教える

リュックサックなどの荷物は、地面に下ろします。できるだけ姿勢を低くすることが大切ですが、腹ばいになるのは地面との接地面積が大きくなるのでNGです。また、数人でいる場合は、お互いが30mは離れた方が良いとされています。

アメリカでは、学校や家庭で「雷しゃがみ」を子供に教える際に、この体勢を誰が一番保てるのかゲームをして学ぶそうです。

*「髪の毛の根元が立ってくる」「肌の表面がチクチクしてくる」などは、落雷の兆候です。すぐ「雷しゃがみ」の姿勢をとるように心がけましょう。


危険な行為・間違った避難方法

雷雨のときに傘をさすのは大変危険です
雷雨や雷雲が出てきたら潔く傘はささないように心がけましょう。自分自身が避雷針になり、雷を呼び寄せることになってしまいます。また、傘にかかわらず、ゴルフクラブや釣り竿を高く振りかざすのは危険な行為です。

自転車・オートバイは危険
自転車やオートバイなどに乗っている場合、ただちに降りて安全な場所に避難しましょう。

「ピカッ」と光ってから「ゴロゴロ」鳴る間隔が長いからといって安全ではない
雷雲の直下であれば、いつ落雷してもおかしくない状態です。上空に雷雲があり、雷鳴が聞こえているのであれば、急いで避難場所を探しましょう。

木陰や建物の軒下は危ない
何度も述べますが、木の下やビルの屋根での雨宿りは大変危険です。

ゴム製品を身にまとってもダメ
ゴム長靴やレインコートを着ても、非常に高い雷の電圧を防ぐことはまずありません。

金属のアクセサリーを外しても意味がない
眼鏡やベルト、時計やネックレスなどの小さな金属製のアクセサリーなどは、身につけていてもほとんど変わらないといわれています。


パソコンや電子機器に落雷対策を

最近の電子機器は落雷に弱い

電話機やインターネット機器など、電源線と回線など外部との接続が2つ以上あるものが、落雷被害を受けやすいとされています。また、高性能化&省電力化された電子機器は、高い電圧への抵抗力が弱く、これが原因で落雷での電子機器の被害は、急増しているといわれています。

自宅に落ちないで、間接的に被害を受ける場合が多い
自宅に落雷を受ける直撃雷よりも、数キロ先に落ちた雷が電線や配管などを通って自宅に侵入する誘導雷が、パソコン・電子機器・家電製品の基板や、電源部を破壊する被害がほとんどです。

落雷の進入経路

  • 電源線
  • 通信線(電話回線やケーブルテレビ、インターネット回線など)
  • アンテナ
  • 接地線(アース線など)

建築法上、地上20m以上の建物には、避雷針(ひらいしん)を設置する義務がづけられていますが、避雷針は主に人身事故や火災防止が役割で、建物の中にある電子機器を守ることはできません。機器を保護するには避雷器(ひらいき)が必要になります。

(参考: 音羽電機工業

避雷器を内蔵した電源タップを使用しましょう

耐雷サージ機能

避雷器とは、雷の被害から電気設備を守るためのものです。家庭用分電盤や、電話線、アンテナそれぞれに避雷器を設置するのが理想ですが、設置工事が必要になります。

簡単な対策として、タコ足延長コード等の電源タップに、避雷器や耐雷サージ機能が内蔵している製品が比較的安価で市販されています。家電量販店やネット通販で購入できます。

*もし、避雷器内蔵製品の準備なしに、雷が鳴り始めたらあらかじめ電子機器の電源コンセントを抜いておきましょう。


また、太陽光発電(ソーラーパネル)は、落雷の影響を非常に受けやすいので、避雷器の設置に心当たりがない場合は、一度業者に相談してみましょう。



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