人身事故で仕事を休んだとき知らないと損をする休業補償の知識


人身事故で会社を休み、給料や賞与が減額されると休業補償が受けらます。この休業補償について正しい知識があると、ないとでは大きな差が生じます。そこで、休業補償に関して最低限知っておきたい知識について紹介します。

休業補償とは?

交通事故で怪我をした女性

休業補償とは、交通事故で仕事を休むことで収入が減った実損害に対して補償される金額のことです。そのため、原則、収入を得ていない学生や専業主婦などは補償の対象外と思われるかもしれません。しかし、学生でも無職の者であっても条件次第で、また主婦も専業主婦だと収入はないですが、家事労働者としての収入があるものとして補償が受けられます。

学生や無職の者は、就職が決まって交通事故に遭わなければ働けていた場合や、就職できる健康状態で就職先を探していた場合、就職できて収入を得られた可能性があるので、具体的に立証できれば休業補償が受けられる可能性があります。

主婦の場合は、実際に家事ができないような状態の負傷であれば、その期間の日数にたいして休業補償が受けられます。ただし、完治するまでの治療日数が30日間であったから、単純に30日間が休業日数として認められる訳ではありません。あくまでも1日中に寝込んで居なければならないほどの障害で家事ができなかったことが明らかな日数しか認められません。

1日あたりの収入金額は、厚生労働省の「賃金センサス」という統計データの女性労働者の全年齢平均額が通常使われます。年度によって異なりますが、1日あたり9,000円から10,000円弱です。なお、パート収入があってその収入が低いと、専業主婦で補償される1日あたりの家事労働費用の方が高くなることがあります。この場合、家事労働費用の金額で計算されます。なお、相手側の保険会社からから自賠責保険の1日あたり補償限度額5,700円/1日を提示してくることがありますが、家事労働費用を強く主張してください。

休業補償の計算方法

休業補償額の一般的な計算方法は以下の計算式のように、1日あたりの収入を計算しその金額に休業日数をかけて計算されます。

休業補償の金額=1日当たりの収入金額×休業日数

1日あたりの収入は、通常は事故前3カ月間の給与の合計額から1日あたり収入金額が計算されます。1カ月は30日とされるのが原則なので、3カ月間間の収入を90日で割って計算されます。特別な事情がある場合、事故前1年間や1カ月の収入などを元に計算されることもあります。休業日数は、原則は会社を休んだ日数ですが、会社を休んでも障害の程度から休業日数が多すぎるとして認められないこともあります。

有給休暇、代休取得で休業した場合、休業日数に含まれる?

休業を有給休暇や代休で取得すると会社からの給与は減額されません。では、休業日数に含められないのでしょうか? 答えは有給休暇で休業した場合は休業日数に含まれますが、代休取得で休業した場合は休業日数に含まれません。会社側は一般的に代休は早期に取得するように言いますが、交通事故での休業には使わないようにした方が良いことになります。

給与が減らないのに休業日数に含まれるのは、有給休暇は労働者がその日を自由に使うことが認められた権利であるにもかかわらず、交通事故に遭ったことで自由には使えない日になってしまうからです。これを損害と認めて自由を失った代償として金額で補償を受けることが認められています。一方、代休はもともとは会社の休業日である土・日に休むための日程の変更にあたります。そのため、土・日に休んでも休業日数に含められないのと同様に考えられるので休業日数として認められていません。

会社を休めば無条件に休業日数になる訳ではない

休業日数は病院に入院すれば、当然会社へ出勤できないので休業日数としてその期間は土日や会社の休暇日を除けば休業日数として認められます。では、通院やリハビリなどのために会社を休めば無条件に休業日数に含まれるのでしょうか? 答えはYESでもりNOでもあります。

例えば、腕を骨折して腕が動かせず、腕を使う仕事をしていれば通院もリハビリもせず自宅で療養していても原則、休業日数に含まれます。一方、通院やリハビリで会社を休んでも、それが自己判断だけで、痛いからと通院やリハビリした方が良いと思って会社を休んだ場合は認められないこともあります。認めてもらうためには、医師の診断書をもらい腕が動かせない、動かないことや、今の負傷状態でも仕事ができないことを証明してもらうことが必要です。

勤務中の事故の場合、労災保険も申請すること

勤務中または通勤途上での交通事故では、労災保険が適用されます。労災保険の「休業補償給付」を休業してから4日目以降の休業日数に対して休業補償を受け取れます。

休業補償給付の1日あたりの金額は、事故が起きる3カ月前の収入の合計を90日で割った1日分の60%と、「休業特別支給金」として、さらに1日分の収入の20%が加えられた合計80%が補償がされます。ただし、「休業補償給付」分の60%は、相手の保険の補償金額から控除されます。しかし、「休業特別支給金」は支払われるので労災を申請すると20%の補償を多く受け取れます。

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